【Ａ３！】きまぐれ猫は路地裏で眠る【男主】

行きつく先は ページ34

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Ｓｉｄｅ：いづみ



「Aさんまだ起きていませんか？」

「私は見ていないけど…今日は万里くんじゃなくて咲也くんが一緒に登校するんだね」



朝、制服を着た咲也くんは談話室に来るなりそう言った。
スーパーのチラシから顔を上げてそう聞くと、困ったような笑みを浮かべる。



「ええっと…理由はわからないんですけど、もうAくんとは一緒にいたくないって…」

「もしかしてまた喧嘩？！ もうっ、あの２人は…！！」

「そう言う訳じゃないみたいなんです。…それで、今日は俺が一緒に行こうと思ったんです」



喧嘩するほど仲がいいとは聞くけど、普段は仲がいいのに意見が食い違うとお互い譲らないみたい。
「Aくんは自分から起きてこないから、部屋に行くといいよ」そう言うが早いか、今度は東さんが欠伸をしながら姿を現した。



「東さん！ ちょうどいいところに」

「ん〜？ ボクに用事？」

「はい！ Aさん起きてましたか？」

「A？ 隣にいなかったからもう学校行ったんだと思ってた…」



＿＿もしかして、あの場所かも。
そう呟く東さんに、私たちはただただ首を傾げるだけだった。




〜〜〜
Ｓｉｄｅ：A



…今日は学校をサボった。
最近健全な生活をし過ぎたせいか、一日サボっただけでもなんだか罪悪感が湧くから不思議だ。



『ネルは相変わらず御寝坊さんだな〜。まだ朝だぞ〜』

「にゃ」

『はいはい、急かさなくても撫でてやるから』




路地裏は今日も平和だ。
もう前みたいにパトロールしなくても問題ないくらい平和だし安心安心。

一日中ここに居ることにしよう。



『…また探されても困るか。夕方には帰ろっと』




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