信用 ページ25
■■
『＿＿ん、寝てた…』
猫たちの暖かい体温に囲まれて、静かな路地裏で眠ってしまったようだ。
少し視線を上げると４つの足が見えた。
「おはようございます！」
「…生きてた」
『勝手に殺すな。ふあ、ぁ…』
制服を着たままの咲也と真澄が俺を見下すように立っていた。
２人が傍にいた猫に手を伸ばすと３匹はどこかへ走って行ってしまった。
「あ…」
『シロ以外は人間嫌いだから気にすんな。そのかわりコイツは超人懐っこいから』
「…本当だ」
真澄がシロの頭を撫でると、途端にゴロゴロと手に擦り寄っていく。
こいつは甘えん坊だからな。
…ちょっと寂しい気もするけど。
「Aさんはいつもここに来るんですか？」
『ん〜…まあそうだな、何かあったらここにくる。…あと、敬語じゃなくていいぞ。堅苦しいし』
「…カントクに心配かけるな」
『掛けたつもりはないんだけど。…うし、帰るか』
立ち上がって伸びをする。
咲也に撫でられていたシロは俺がいなくなることを悟ったらしく、靴の上に座り込む始末だ。
『また来るよ。前よりペース増えると思うからさ』
「にゃぁ」
「学校で何か、あったんですか？」
『何もない』
「…俺にも話してくれないんですか？」
万里の奴、こいつらに余計な事言いやがったな。
この分ならきっと他の劇団員にも言ってるんだろう。
『どう思った』
「えっと？」
『何も話そうとしない俺を、どう思った』
胡散臭いことも、性格が悪いことも自覚がある。
…それでも本心は、誰かに信じてもらいたいらしい。
「…話せないことの１つや２つは、誰にでもあると思います。この先そのお話を聞くことがなかったとしても＿＿俺はAさんを仲間だと思ってます！ 勝手に、ですけど」
「…カントクに迷惑かけないなら、どうでもいい」
『…馬鹿だな。お前らも、俺も』
「アンタにだけは言われたくない」
こんな俺を信じたＭＡＮＫＡＩカンパニーは、変わってる。
そのおかげで救われた気持ちになっている俺も…。
『なあ、』
「？？」
『帰ろうか』
「＿＿！ はい！」
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あーか(プロフ) - 続き楽しみにしてます。 (2020年4月3日 17時) (
レス) id: 460cee1a24 (このIDを非表示/違反報告)
哲弥 - あの…もう終わりですか？ 俺楽しみにしてるんで、頑張ってください！ (2019年6月6日 17時) (レス) id: 9dda0ba0f7 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - ひなさん» ありがとうございます！精一杯書かせていただきます！ (2017年9月6日 21時) (レス) id: 77b318de68 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - サカナさん» ありがたいお言葉…励みになります！ありがとうございます！ (2017年9月6日 21時) (レス) id: 77b318de68 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 続きとっても楽しみです！頑張ってください！ (2017年9月6日 18時) (レス) id: 9dcf28c287 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノア | 作成日時：2017年6月7日 22時
