５８色 ページ9
＿＿＿
場所を移動してビロードウェイ。
今日もストリートＡＣＴで賑わっている場所で、再びベンチに座ってそれを見ている。
「ぐぅ〜、お腹減ったあ」
『…おにぎり、食べる？ ボクが作ったもの…だけど』
「食べるー！ さんかくー！！」
『召し上がれ』
散歩のお供は小さい頃からお母さんの作ってくれたおにぎりだった。
ＭＡＮＫＡＩカンパニーに来てからそれを思い出して、余ったご飯を伏見くんに残しておいてもらって、こっそりおにぎりにしてスケッチのお供にしている。
三角くんは少し不格好なおにぎりを美味しそうに食べてくれた。
「ごちそうさま！」
『お粗末さま、でした。…ほっぺにご飯、ついてるよ？』
「どこー？」
『右の…もうちょっと上…うん、とれた』
気分転換もできたしゆっくりしてから帰ろうかと思っていると、人込みの中から１人の男性が近づいてきた。
「やぁ、君たちはＭＡＮＫＡＩカンパニーの劇団員だね？」
『ボ、ボクはアシスタント、です…』
「この人…」
「噂は聞いているよ、佐倉A」
何で、ボクの名前を…？
三角くんをそっちのけで、男性はボクに向かって妖しく微笑んだ。
「私の名前は神木坂レニ。君が来てから小道具や背景絵なんかのレベルが上がったのは知っている。…どうだい、ＧＯＤ座に興味はないかな？」
もしかして…スカウト？
にこやかに手を差し出す神木坂さんは…何だか背筋が冷えるような怖さを感じた。
小さく震えた手に三角くんは暖かい手を重ねてくれた。
『ＭＡＮＫＡＩカンパニーで、たくさんの経験をさせてもらったんです…。何も返さずに、他の場所に行くことなど…考えていません』
「ほう、そうか」
思い切って言うと、案外素直に引いてくれた＿＿はずはなかった。
無理やり手首を掴んで引き寄せると、怒ったような表情で顔を近づけられる。
「金なら積んでやる。それでいいだろう」
『なっ…』
「それとも家族が欲しいか？ 新しい両親を用意して＿＿」
『ふざけないでよっ！！』
言っていいことと悪いことがある。
手首を振り払って精一杯にらみつけると、それを嘲るように笑みを浮かべた。
「何だ、まだお前を捨てた両親を愛しているのか」
『捨てたなんてっ、…お父さんとお母さんは事故で…！』
「それもどうだか、な」
『え＿＿』
２人のことを知っているというの…？
笑みを一層深くした彼に、ボクは目を見張ることしかできなかった。
＿＿＿
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ノア(プロフ) - ミモさん» ああっ！ご指摘ありがとうございますm(_ _)m全力で書かせていただきます！ (2017年6月26日 23時) (
レス) id: f8f287b969 (このIDを非表示/違反報告)
ミモ(プロフ) - 87話の｢僕は師匠を悪者だなんて…｣の師匠が支障になっていますよ〜後日談楽しみにしています。 (2017年6月26日 23時) (携帯から) (レス) id: 0c3426b0a6 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 名無しさんさん» ご指摘ありがとうございます！お恥ずかしい限りで…すみません (2017年6月1日 21時) (レス) id: 77b318de68 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん - 61話の枯れるまで泣いた、が狩れるまで泣いたになってますよ！ (2017年6月1日 18時) (レス) id: e4c2591ddb (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 真樹RAINBOWさん» お祝いに応援の言葉ありがとうございます！とても励みになります。夢主ちゃんを好きになっていただけなんて、書き手冥利に尽きます！素敵な言葉ですよね…共感していだただけて嬉しいです！ (2017年5月29日 21時) (レス) id: 77b318de68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノア | 作成日時：2017年5月17日 19時
