７１色 ページ22
＿＿＿
「広いねー！！」
『ふふ、そうですね』
タオルを体に巻いて、広い露天風呂で大きく伸びる。
見渡すとさっき遊んだ海も見渡すことができてとても気持ちがいい。
ほどよい温度のお風呂に浸かるとホッとため息が出るのは日本人の性なのかな。
塀を隔てた向こう側には男湯としてもう１つ露天風呂が存在する。
…とんでもなくお金持ってるよ、雅にいは。
「Aちゃんは何度か来たことがあるって言っていたけど、この露天風呂にも１人で入ったの？」
『ううん。ここの別荘の、メイドさんが誘ってくれて…』
「表情が暗いけど…聞いちゃいけないことだったかな」
『なんか……メイドさんたちにすごく触られて…大変だった』
「気持ちは分からなくもないけど…。」
「お肌すべすべ〜羨ましい！！」って、のぼせるギリギリまで可愛がられた記憶はとても印象的。
雅にいに似て明るい人が多かったのも原因何だと思う。
「確かに佐伯さんは明るい人だよね。あ、そうだ！ ずっと聞きたいことあったんだけど！」
『？ 雅にいの、こと？』
「もちろんAちゃんのこと！」
男湯の方から聞こえる騒がしい声にも勝る良く通る声でいづみさんは目を輝かせながら言った。
なんだか、嫌な予感。
「Aちゃん好きな人っている？！」
『え』
瞬間、ピタリとその場が静まり返る。
何でこのタイミングでちょうど静かになるんだろう…視線が気まずい。
『あの、ボクは好きな人なんて、いないよ…』
「ん〜じゃあ好きなタイプとかはどうかな」
『好きな、タイプ…』
「限定的な物じゃなくても、こんなことしてくれるような人〜とかこんな雰囲気の人〜とか」
こんなことしてくれるような人…。
誰かを好きになるなんて想像したこともなかったから、真剣に考えて見る。
これがガールズトークというものなのかな、それなら嬉しい。
『料理ができる人…と思ったけど、料理は女の人が、するものだよね…』
「Aちゃん美味しそうにご飯食べるもんね！ 料理ができるとなると綴くんとか臣くん、かな？ 他には？」
『ほ、他…えっと……頭、撫でてくれる、人』
「…」
恥ずかしくてだんだん小さくなった声はちゃんと聞こえていたみたい。
いづみさんはポカンと口を開けた。
『…安心、できるのと…褒めてもらえるの、嬉しいから』
「可愛いかよ…」
『？』
その後いづみさんのスキンシップが激しくなったのは、気のせいだと思いたい。
＿＿＿
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 418人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「逆ハー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ノア(プロフ) - ミモさん» ああっ！ご指摘ありがとうございますm(_ _)m全力で書かせていただきます！ (2017年6月26日 23時) (
レス) id: f8f287b969 (このIDを非表示/違反報告)
ミモ(プロフ) - 87話の｢僕は師匠を悪者だなんて…｣の師匠が支障になっていますよ〜後日談楽しみにしています。 (2017年6月26日 23時) (携帯から) (レス) id: 0c3426b0a6 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 名無しさんさん» ご指摘ありがとうございます！お恥ずかしい限りで…すみません (2017年6月1日 21時) (レス) id: 77b318de68 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん - 61話の枯れるまで泣いた、が狩れるまで泣いたになってますよ！ (2017年6月1日 18時) (レス) id: e4c2591ddb (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 真樹RAINBOWさん» お祝いに応援の言葉ありがとうございます！とても励みになります。夢主ちゃんを好きになっていただけなんて、書き手冥利に尽きます！素敵な言葉ですよね…共感していだただけて嬉しいです！ (2017年5月29日 21時) (レス) id: 77b318de68 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ノア | 作成日時：2017年5月17日 19時
