６３色 ページ14
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入院生活も２日目となった。
ボクが倒れたあの日は、この時期には珍しい大雨で記録的な物となったらしい。
白い病室の窓に目を移すと、外は綺麗に晴れ渡っている。
『ふあ…ぁ』
どうも１人の病室は退屈でしょうがない。
のんびりとあくびを零していると、廊下が次第に騒がしくなる。
今日も来てくれたみたい。
「サックー来たよん！」
「病院では静かにしろっての」
「Aさん、呼んでもらいたい少女漫画を選んできたのでぜひ読んでみて下さい！」
「椋、それあと２日で読める量じゃないでしょ」
「さんかく〜」
公演中にも関わらず、夏組の皆は昨日もお見舞いに来てくれた。
他の人たちも来てくれたけど皆暗い顔をどこかしていて…夏組の眩しい笑顔に安心を覚える。
入院してから特に仲良くなった彼らは、自分たちの部屋のようにくつろぎ始めるのだった。
…個室でよかったと心底思う。
「あ、これ読んでくれたんですね！ どうでしたか？」
『椋くんの言っていた場面、すごく、素敵だった…。２人が、喧嘩を始めた時はハラハラした、よ…』
「そうなんです！ 仲直りしたときに主人公が女の子の頭を撫でたところが、僕はドキドキしちゃいました」
えへへと笑う椋くん。
彼に借りた少女漫画はとんでもない量だけれど、暇つぶしと思って見て見ると案外はまってしまったのだった。
ボクみたいなのでも一応、女の子らしい。
「…これ、余ったからやるよ」
『プリン…？ ありがとう』
「お前のために買ったんじゃねえから、勘違いすんな」
天馬くんは果物とかケーキとかを買ってきてくれる。
いつも「余ったから」とか「仕事の差し入れだった」と言ってくれるのは彼なりの優しさなんだと思う。
「サック―、欲しい物とかある？ 何かあったら俺に言ってよ☆」
『ありがとう。…皆が来てくれるだけで、十分だよ…』
「じゃあ俺ハーゲン○ッツ」
「さんかくのアイスー！」
「えええっ、それは財布と相談かも…」
テンポのいいコントみたいな会話に思わず笑みが零れる。
笑ったのは、久しぶりかもしれない。
「帰って来たら着せたい服がたくさんあるんだから、さっさと退院しなよね」
「Aのおにぎり食べたい！」
『…うん』
今のボクには帰る場所がある。
ほんのりと暖かくなった心に、なんだか涙が出そうになった。
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ノア(プロフ) - ミモさん» ああっ！ご指摘ありがとうございますm(_ _)m全力で書かせていただきます！ (2017年6月26日 23時) (
レス) id: f8f287b969 (このIDを非表示/違反報告)
ミモ(プロフ) - 87話の｢僕は師匠を悪者だなんて…｣の師匠が支障になっていますよ〜後日談楽しみにしています。 (2017年6月26日 23時) (携帯から) (レス) id: 0c3426b0a6 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 名無しさんさん» ご指摘ありがとうございます！お恥ずかしい限りで…すみません (2017年6月1日 21時) (レス) id: 77b318de68 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん - 61話の枯れるまで泣いた、が狩れるまで泣いたになってますよ！ (2017年6月1日 18時) (レス) id: e4c2591ddb (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 真樹RAINBOWさん» お祝いに応援の言葉ありがとうございます！とても励みになります。夢主ちゃんを好きになっていただけなんて、書き手冥利に尽きます！素敵な言葉ですよね…共感していだただけて嬉しいです！ (2017年5月29日 21時) (レス) id: 77b318de68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノア | 作成日時：2017年5月17日 19時
