24. ページ14
side 青
・
みんなは2階に上がっちゃったけど僕はなんとなく今の侯くんを一人にしておくのは、さすがにあかんかなって思ってん。
だってな、僕が兄弟と喧嘩した時一人で残されたらなんか寂しくなると思うねん。やから、たぶん侯くん寂しいと思うねん。
かっこいい言葉とかかけられへんけど、僕なりのやり方で侯くんの側に居よう。とちょっとした決意をして下に降りた。
歯磨かな！ってのは口実。
もうそんなんとっくに終わってるもん。
下に降りると侯くんはちょうど外へ出るとこやった。なんでやろ、声を、かけることができへんかった。…あほやなぁ、僕。
でも、心配やから、こっそり窓から侯くんのこと見ててん。
暗闇にぼんやりうつる白い肌に、景色に溶けるくらいの黒い髪。このまま溶けたらどうしよって不安になって、嫌な想像をした、と頭をぶんぶん降っていたら、侯くんが踵を返して家の方へ向かっていった。
良かった、帰ってくる。
そう、安心、しなかったら良かった。
いや、そもそも僕が侯くんを呼びに外に出てたら。
声をかけてたら、、、
数え切れない後悔。
どれだけしても、侯くんはもういない。
後ろから男にバットで殴られる侯くんを見て、とっさに動けなかった。
車のエンジンの音で我に帰って、やっと侯くんの名前を大声で叫ぶ。
みんながくる時間も、説明する時間も惜しくて、玄関を飛び出して車のあとを追う。
もちろん小学生の僕の足なんかに負けるようなのろい車じゃないから、どんどん遠ざかっていく。
青｢まって！、き、きみく…！｣
もう心臓は破裂しそうだし、何回も転んで服も、体も傷だらけになって、でも構わず走る。
痛みはなかった。
ただ、また家族が連れ去られてしまう、奪われてしまう。という恐怖だけが僕の心を支配してた。
青 ｢ﾊｧ､ﾊｧ､きみく、ん…やや、きみく、｣
おいていかんとって！！
気持ちはあるのに、体の限界は近づいてくる。
足はだんだん痛覚を取り戻してくるし、コケたせいで体中が悲鳴をあげる。
歩きたいのに、歩けない、走りたいのに、…体が重い。
青｢きみく、…う、…ひぐ、き、み…く、やだ、おいてかんとって、！｣
紫｢章大、｣
いつの間にか隣には信ちゃんがいて、
青｢ごめ、ごめん、ぼ、く…｣
紫｢…｣
信ちゃんはなんも答えずに僕の頭をぐりぐり撫でて、帰ろか、と呟いた。
暗くて、よく見えなかったけど信ちゃんは悔しそうに唇をかんで、泣いていた。
______
更新遅れ文字数！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 401人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
よつば銀行(プロフ) - 初めの頃はまだ話が明るめだったのにここにきて話が暗くなり気持ちまで暗くなりそうです。 (2019年12月4日 23時) (携帯から) (
レス) id: 998ae028aa (このIDを非表示/違反報告)
Melody(プロフ) - はるさん» 楽しみにしています。更新頑張って下さい。 (2018年3月21日 22時) (レス) id: 9bd0e05f4d (このIDを非表示/違反報告)
黒雪アリス(プロフ) - はるさん» 頑張って下さい(*^-^*)楽しみに待ってます(*^_^*) (2018年1月28日 3時) (レス) id: 38a8dac152 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 黒雪 アリスさん» ありがとうございます(T_T)受験自体は終わったのですが色々と忙しくて…。でもこれからはなるべく更新するよう頑張ります！ (2017年12月25日 0時) (レス) id: 88ccfb9833 (このIDを非表示/違反報告)
黒雪 アリス - 更新待ってます!! 受験頑張って下さい!! (2017年12月23日 4時) (レス) id: 38a8dac152 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はる | 作成日時：2017年11月4日 14時
