: 09 ページ10
.
廉「お前には、笑顔が一番似合っとる。」
そう言って、私の頭に優しく左手を置き、ぽんぽんと優しく撫でてくれた。
なんなん…調子狂う…
永瀬、かっこええやん…
「な、何言うてっ…！」
廉「おし。今から遊び行くぞ。」
「は？！今から！？」
廉「俺が行こうと思てたとこは時間的に無理やけど、近場のモールとかなら行けるやろ？」
「そやけど…」
廉「なに遠慮しとんねん。」
“ほら、行くで”と、私に背を向けてスタスタと歩いていく永瀬。
その背中は、もう私の知ってる永瀬の背中じゃない。
私が知ってる永瀬の背中は、いつも弱々しく丸まってて、どこか切なげで。
でも、今の永瀬の背中は違う。
逞しくて、しっかりと筋肉もついてて。
男子高校生！って感じ。
…久々に、呼んでみよかな。
「廉！」
廉「……あ、俺か。」
「ぶっ…あははっ！自分の名前忘れとんねん！アホ瀬や、アホ瀬！」
廉「う、うっさいな！お前が急に名前呼ぶからやろ！」
高校に入学するまで、私と永瀬は“（人1）” “廉”って呼び合ってた。
けど、高校に入学してからは、
お互い名前は呼ばんくなって。
私に関しては、永瀬目当てで寄ってくる女子が嫌やったから。
私が永瀬のことを“廉”って呼ぶことで、女子は“永瀬くんと友達やねんな！ほな、私と友達なろ！”って。
私をええように使って、永瀬と友達になろうとする女子ばっかり。
それが嫌やから、私は“永瀬”って呼ぶことにした。
永瀬って呼んだら“あ、仲良くなったんやな”ってだけで終わるやん。
そやから私は、廉呼びを封印した。
そしたら永瀬も、私に便乗するかのように、名前呼んでくれんくなって…
正直、寂しかった。
「どう？久しぶりの廉呼び、キュンってした？」
冗談で、こんなことを聞いてみた。
どうせまた“黙れ、豚足”とか。
そういう悪口が帰ってくる。
と、思とったのに。
廉「…うん、した。」
なんて、
ちょっと顔を赤くして言うた。
な、なによ…それ…
私がキュンってしたやん…
廉「なにしてんねん、豚足。早よ歩けや。」
「はぁ？！ほんま消えろウザ瀬！！」
なんでやろ。
いつもやったらムカつくのに。
今は楽しい。
…待って。
私やばない？
なんか、永瀬に惹かれてるような。
自分の気持ちに気づくのは、
まだまだ先 ＿
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 448人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「永瀬廉」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ののん(プロフ) - 初コメ失礼します！スピンオフ見たいです！((o(｡ >ω<｡)o)) (2016年11月21日 17時) (
レス) id: 0259578a74 (このIDを非表示/違反報告)
くぼみ - めっちゃ面白かったです！感動した笑最近、涙腺緩くなってしもうて。笑、続き楽しみにしてます！頑張れんれん♪ (2016年9月10日 19時) (レス) id: 49f7691da1 (このIDを非表示/違反報告)
梨乃 - すごく面白かったです！！更新頑張って下さい(^o^) (2016年9月9日 15時) (レス) id: 4479b37f92 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - あ、わかりました！！すごく面白いので更新たのしみにまってます！もし他の作品あったら、見させてもらいます(´>∀<｀)ゝ (2016年8月28日 21時) (レス) id: b9b97256b9 (このIDを非表示/違反報告)
みおたん(プロフ) - さくらさん» あ、わかりにくくてすみません！名前です！ (2016年8月28日 21時) (レス) id: a1abe2b3fb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みおたん | 作成日時：2016年8月25日 8時
