: 015 ページ16
.
廉「…おったから。」
「誰が？」
廉「重岡先輩と…」
永瀬は伏し目がちに、申し訳なさそうにそう言うた。
なんや、そういうことか。
重岡カップルがおったわけね、正門に。
それで永瀬は、私がまた傷つくと思って、わざわざ遠回りして北門から入ろって言うてくれた、と。
…優しいやん、鉄パイプのくせに。
「ありがと。助かった。」
廉「感謝せえよ、ほんまに。お前が落ち込まんで良かったん、俺のおかげやからな。」
「わかってる、永瀬のおかげ。」
廉「やけに素直やな。」
「私はいつでも素直やで♡」
廉「鳥肌立った。」
「おい。遠回しに失礼やぞ、それ。」
でも、ほんまにありがとう。永瀬。
永瀬があの時咄嗟の判断してくれたから助かったものの。判断できてなかったら、私のメンタル、ズタボロやったと思う。
重岡先輩とはあの日から一切話してへんし、会ってもないし。
会ったって気まずいだけで。
横を通り抜けるのも気まずいだけで。
「私のこと、案外考えてくれてるんやな。」
私の前をスタスタと歩いていく永瀬の背中に、こう言葉を放ってみた。
でも案の定、聞こえるわけなくて。
聞こえないなら、と。
私はこんなことを言った。
「永瀬。」
大きな深呼吸をして、
「…好き。」
……
やっぱり聞こえへん。
まあ、今はそっちの方が好都合やねんけど。
廉「おい、お前なにしてんねん。早よ行くぞ。」
「今行く！」
やっと気づいた。
私は多分、
廉「お前さ、ネクタイ曲がってんで。」
「え！嘘やん！」
廉「…嘘。」
「鬱陶しい！ほんまに鬱陶しい！キモい！」
廉「キモい関係あらへんやろ！」
こいつ、
“永瀬廉”のことが、
廉「まあ、ネクタイ曲がってても…」
「曲がってても？♡」
廉「誰も見いひんわ。お前のことなんか。」
「はぁ？！」
多分、好き。
結構な確率で、好きやと思う。
でも私らは“幼馴染”
多分永瀬には、特別な感情なんかないはず。
“幼馴染”という“壁”が、
私たちの邪魔をしようとしていた ＿
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 448人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「永瀬廉」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ののん(プロフ) - 初コメ失礼します！スピンオフ見たいです！((o(｡ >ω<｡)o)) (2016年11月21日 17時) (
レス) id: 0259578a74 (このIDを非表示/違反報告)
くぼみ - めっちゃ面白かったです！感動した笑最近、涙腺緩くなってしもうて。笑、続き楽しみにしてます！頑張れんれん♪ (2016年9月10日 19時) (レス) id: 49f7691da1 (このIDを非表示/違反報告)
梨乃 - すごく面白かったです！！更新頑張って下さい(^o^) (2016年9月9日 15時) (レス) id: 4479b37f92 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - あ、わかりました！！すごく面白いので更新たのしみにまってます！もし他の作品あったら、見させてもらいます(´>∀<｀)ゝ (2016年8月28日 21時) (レス) id: b9b97256b9 (このIDを非表示/違反報告)
みおたん(プロフ) - さくらさん» あ、わかりにくくてすみません！名前です！ (2016年8月28日 21時) (レス) id: a1abe2b3fb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みおたん | 作成日時：2016年8月25日 8時
