: 00 ページ1
.
「やっぱ、屋上が一番やわ。」
大きい伸びをひとつ。
そして、ベンチに勢いよく寝転がる。
「そら、彼女くらいできるよな。重岡先輩かっこええし、優しいし、笑顔可愛いし。」
私はたった今、失恋した。
失恋言うても、別に想いを伝えたわけやない。
“密かに想いを寄せてた重岡先輩に、つい最近彼女ができた”
ただ、それだけのこと…やけど。
辛いもんは辛い。
「はぁ…しんど…」
霞んだ私の心とは裏腹、晴れ晴れとしている青空。
昼休み終わるまで、まだ結構時間あるし、ふて寝でもしよう。
寝たら、重岡先輩のことも忘れられる。
そう、思とったのに。
廉「何寝とんねん、ブス。」
「痛ったあ！」
おでこに走る、激しい痛み。
どうやら私は、デコピンされたらしい。
「永瀬！なにすんねん！」
こいつ、永瀬廉に。
永瀬は、私の幼馴染。
容姿・勉強・スポーツ・恋愛。
どれも全部完璧なこいつは、学校一モテる。
私の場合、ちっさい頃から一緒におるから、なんとも思わへん。
永瀬ファンには悪いけど、永瀬の何がええんか全然わからへん。
顔に騙されとるんやて、みんな。
廉「あーあ。せっかく失恋して傷心な幼馴染を慰めたろ思てたのに。」
「お前の慰めなんかいらんわ。余計しんどなる。」
廉「天下の永瀬様に向かって、しんどなるってなんや！」
「はいはい。さいなら。」
今は永瀬の相手できるほど、テンション高くないねん。
屋上があかんなら、中庭のベンチで寝よう。
そう思て、屋上のドアノブに手をかけた。ら、
重「カレナはどこ行きたい？」
『私？私はな〜、ゲーセン！』
重岡先輩と、彼女のカレナ先輩に遭遇してしもた。
これはやばい。早いとこ逃げよ。
2人の横をさっさと通り過ぎようと思たら、
重「（人1）ちゃん！」
重岡先輩に呼び止められた。
無視…は、あかんよな。さすがに。
カレナ先輩の前でそんなことできひんしな。
「…どうしました？」
重「俺な、付き合うことなってん！カレナと！」
「そう、みたいですね。おめでとうございます。お似合いですよ。」
重「ありがとう！」
私の大好きな笑顔でそう言うた重岡先輩は、カレナ先輩を連れて屋上へと消えていった。
溢れそうになる涙を必死で堪えながら、私は教室へと足を運んだ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 448人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「永瀬廉」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ののん(プロフ) - 初コメ失礼します！スピンオフ見たいです！((o(｡ >ω<｡)o)) (2016年11月21日 17時) (
レス) id: 0259578a74 (このIDを非表示/違反報告)
くぼみ - めっちゃ面白かったです！感動した笑最近、涙腺緩くなってしもうて。笑、続き楽しみにしてます！頑張れんれん♪ (2016年9月10日 19時) (レス) id: 49f7691da1 (このIDを非表示/違反報告)
梨乃 - すごく面白かったです！！更新頑張って下さい(^o^) (2016年9月9日 15時) (レス) id: 4479b37f92 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - あ、わかりました！！すごく面白いので更新たのしみにまってます！もし他の作品あったら、見させてもらいます(´>∀<｀)ゝ (2016年8月28日 21時) (レス) id: b9b97256b9 (このIDを非表示/違反報告)
みおたん(プロフ) - さくらさん» あ、わかりにくくてすみません！名前です！ (2016年8月28日 21時) (レス) id: a1abe2b3fb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みおたん | 作成日時：2016年8月25日 8時
