19 ページ21
実にくだらない。
そう吸血鬼様に言い放たれたお姉ちゃんはピタリと表情を固めた。
ｱﾙﾈ｢人間同士のもめごとなど警察にでも頼んでおけ。
我は、興味がわく依頼しか引き受けぬわ。｣
そしてそう言われたお姉ちゃんは、固めていた顔をみるみるうちに崩し、そんな…と呟いた。
このままじゃ吸血鬼様は引き受けてくれそうにない。
だけどお父様のことが心配なのは私も同じ。
そんな私はすぐさま声を発した。
『吸血鬼様！これはお姉ちゃんからの依頼でもあり、私からの依頼でもあります！どうか引き受けてくれませんか？』
ｱﾙﾈ｢だめだ。そんなくだらないことに付き合ってる暇は我にはない。｣
『お願いします！』
中々引き受けてくれない吸血鬼様にバッと頭を下げる。
すると鏡の中から声が聞こえた。
ｼﾞｼｪ｢えー？良いじゃんアルネ。この子も頭下げてるんだし、引き受けてあげなよ。
なんか面白そうだよ？｣
そう、ジシェさんだ。
『ジシェさん…』
ｼﾞｼｪ｢それに、このお嬢ちゃん達ぐらいの血が1番美味しいんじゃないの？｣
ﾘﾝ｢そうなんですか？飲みますか？｣
ｱﾙﾈ｢そこに食いつくんじゃない！うっとおしい！｣
『ちょっとお姉ちゃん、1回落ち着こっか？』
またお姉ちゃんの暴走が始まりそうだったので、すぐさま止めに入る。
だがそれは無意味で、お姉ちゃんは続ける。
もうダメだ。お姉ちゃんを止めるのは諦めよう。
ﾘﾝ｢吸血鬼様…私は血を吸われて…吸血鬼になっても、かまいません…｣
ｼﾞｼｪ｢むしろご褒美っぽくない？｣
ﾘﾝ｢そ、そんなことは…｣
目をキラキラ輝かせながら恐らく妄想しているであろうお姉ちゃんの口からは、よだれ。
『お姉ちゃん、よだれ…』
ﾘﾝ｢はっ！ち、違いますよ｣
私に指摘され、やっと妄想から帰ってきたみたいだ。
ﾘﾝ｢吸血鬼マニアとして吸血も体験してみたいだけです。ね？Aも吸血鬼が好きなら分かりますよね？｣
『うっ…分からなくもないけど…』
急に話を振られて一瞬焦る。
まあ私もこれでも吸血鬼のファンなのだ。
ｼﾞｼｪ｢え、なになに君も吸血鬼が好きなのー？｣
『……まあ。』
そう答えると彼は目を細め、へぇー？とだけ呟いた。
ｱﾙﾈ｢…こいつら、大丈夫か？｣
ただ1人会話に参加してなくて完全に空気だった吸血鬼様だったが、その顔を見るからに完璧に引いていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 82人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「原作沿い」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
梨夢(リム) - ジシェは可愛い… (2022年7月20日 22時) (
レス) @page30 id: 265c125c54 (このIDを非表示/違反報告)
クロスてゃん - 最高です…(泣)ジシェくん推しですのでありがたいです…主様更新頑張ってください(^^; (2021年10月1日 21時) (レス) @page30 id: c934f9389d (このIDを非表示/違反報告)
ノイ - ジシェ君推しなので嬉しいです！！更新頑張ってください！！！！！ (2021年8月28日 6時) (レス) id: 2f000690c5 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - ジシェくんやっぱ、可愛い！！！アルネ様かっこいい！！！リンちゃんは笑暴走するけどほんと可愛い！！主ちゃんも恥じらいながらも決めゼリフ(？)を言うとこ好きです笑更新頑張ってくださいね！続き楽しみに待ってます！ (2019年9月16日 23時) (レス) id: 08c5f26fea (このIDを非表示/違反報告)
加藤フリゲ大好き♪ - 面白かったです！更新楽しみです！なんだろ、ジシェって狼少年だから、昔何かあって鏡に入れられたとかなのかなっておもったり、色々なこと考えながら読ませて頂いてます！！更新頑張って下さい！！続き待ってます！ (2018年11月27日 20時) (レス) id: 0c80c47562 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さら | 作成日時：2018年4月22日 10時
