6. ページ21
「ごめんね」
「あは、もういいってば。何回謝んの」
「だって…ごめん」
「ふふ。Aちゃん変わんないね」
「え？」
「……あ！Aちゃん！そこのコンビニ寄って！」
「あ、え？」
「お願い！」
普通、車は急には止まれない！
とは言うものの、後続車もいなかったので、言われた通りにコンビニに寄り、車を停めると「ちょっと待っててー」と意気揚々と抱えてたリュックを置いて、彼はサーッと出ていってしまった。
未だに早めのリズムで打ち付ける鼓動。
車内に取り残された私とリュック。
彼の存在を主張するかのように残るそれに、本人には言えない想いを込めて小さく小突いてみる。
だけど当たり前だが反応は無くて、消化するどころか余計虚しくなって、ため息が零れた。
「何買ったの？」
数分後、ニコニコ顔で帰って来た彼の手にはかなりな膨らみになってる袋。それを指させば
「ビールとー、おつまみとー、からあげとー、あ、デザートもあるよ」
「え！それ全部1人で食べんの？」
「そんなわけないでしょ！」
「じゃあ……」
何も考えずに言葉を発してから、ハッとした。
私、今何聞こうとしてんの？
「誰と？」なんて聞いて、その答えが私の聞きたくない答えだとしたら？
耳を塞ぎたくなったら？
「……じゃあパーティとかすんのね。それなら早く帰らないと。もう車出すよ」
そう思ったら視線を逸らして、彼が話す前に早口でシャットアウト。
自己完結。
……誤魔化すしかなかった。
震えそうな声を隠して、早くこの人を家まで送って、その帰り道この車の中で泣くのかな、なんて。
そこまで考えられる頭がある私は冷静だ、大丈夫。なんて思いながら誤魔化せたと思った。
……つもりだった。
身体がビクッとする。
彼が、相葉くんが突然、引こうとして握ったシフトレバーの手を遮ったから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 535人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
mymy(プロフ) - 天使JUNさん» まいちゃん！いつもお付き合いありがとうだよぉ！まいちゃんのコメントにBBAはいつも支えられてます！(笑)胸きゅんを届けられてほんとよかった！また書いたらよかったら読んでやってね☆本当にありがとう！ (2018年8月24日 10時) (
レス) id: 24735180e6 (このIDを非表示/違反報告)
mymy(プロフ) - reiさん» れ、reiちゃん？！？！？！？！←スマホ何度も見直した(笑)読んでくれてありがとうだよぉ( ; ; )てか、ふぉー！reiちゃん！相葉さんに食べられるおてて……もう！やだ！さすが葉担！相葉さんを知り尽くしておる！(笑) (2018年8月24日 10時) (レス) id: 24735180e6 (このIDを非表示/違反報告)
mymy(プロフ) - キミさん» キミさん！ラストは私も書いてて、ふふってなりました(＾ω＾)最後までお付き合い下さりありがとうございました！ (2018年8月24日 10時) (レス) id: 24735180e6 (このIDを非表示/違反報告)
mymy(プロフ) - ともさん» ともさん！色々と忙しなく心動いた？(笑)やった！こちらこそ最後までお付き合いありがとうでした(＾ω＾) (2018年8月24日 10時) (レス) id: 24735180e6 (このIDを非表示/違反報告)
天使JUN(プロフ) - まいさん更新ありがとうございました。やっと読めました！もうこのお話もほんとに好きすぎます。もう何度読み返していることか……。切ないからの胸キュンで心臓わしづかみです！とっても素敵なお話読めてとても感謝してます。ありがとうございます！ (2018年8月22日 19時) (レス) id: ca5c92e834 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：mymy
| 作成日時：2016年12月9日 0時
