2. ページ17
「Aせんせっ」
……やっぱり。予感的中。
愛車の影から突如聞こえてきたその声は、既に金曜日の夜の解放感に浸っている私にとっては最悪でしかない。
それとは対称に青のジャージに身を包んだ目の前の人は、爽やかににっこり微笑んでいる。
「……誰ですか？」
「えー！何？そう来る？」
「すみません。私帰るので」
「え、うそ！じゃあ一緒に帰……「帰りません。さようなら！」」
「もー！何これ！」
わざと敬語で冷たくあしらってるのに、ケラケラ笑ってる。日本語というものが、この人には通じないのだろうか？
それどころか、私の腕を取って「一緒に帰ろ？」って。
……あーもう！！！
「待ち伏せ禁止！今日は乗せないってば！」
掴まれてた腕を払い除け、わざとらしい敬語じゃなくて。眉間に皺を寄せ、さっきよりも強い言葉を投げ掛ける。
だけど。
「待ち伏せじゃなくて！たまたまだって！ね？」
なんて、たった今せっかく払い除けたのに、今度は私の両腕を掴んで、小首を傾げて、陽気な返しを放ってくる。
みんなに振り撒いてるあの笑顔付きで。
こうも想いが伝わらないものなのか。私が間違えているのか。はたまた彼がおかしいのか。
「何で私が、先生の家まで送らなきゃいけないの？」
「………だってラクだもん」
「はぁ？とにかく！今日は乗せない！」
「なんで！」
「なんでも！」
「……なんか予定あるの？」
私の表情を真似するように眉頭を寄せて、珍しく弱気な声で聞いてくるもんだから、何だか一瞬……ほんの一瞬だけ怯んで、答えに戸惑ってしまう。
「……ぁ、ある！すごいある！今から分刻みだから、いや秒刻みだから……」
だから逆にそのせいで、嘘ついてます！って全面に押し出ちゃって。
「ふふ、分かったから。ほら、開けて」
当たり前だけどやっぱりバレて。
私の言葉を遮って。さっきの表情の跡形もなく笑顔で、自分勝手な言葉を吐いた彼。
そのまま全身全霊で、拒否している私を車に近寄らせると、勝手に助手席側のドアノブに手を掛け、鍵を解錠した。
「ありがと」
ちょっとハスキーな声の感謝の言葉。私はもう頭を抱えるしかなかった。
なのに、そんな私を知ってか知らずか。
彼は肩に掛けてた黒のリュックを抱えるようにして、所有者の承諾も得ずにそそくさと助手席へと乗り込む。
どうしてそんな笑顔なのか。
どこをどう取って、何を分かったのか。
はぁぁぁ…もう。
盛大な溜め息しか出てこない。
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mymy(プロフ) - 天使JUNさん» まいちゃん！いつもお付き合いありがとうだよぉ！まいちゃんのコメントにBBAはいつも支えられてます！(笑)胸きゅんを届けられてほんとよかった！また書いたらよかったら読んでやってね☆本当にありがとう！ (2018年8月24日 10時) (
レス) id: 24735180e6 (このIDを非表示/違反報告)
mymy(プロフ) - reiさん» れ、reiちゃん？！？！？！？！←スマホ何度も見直した(笑)読んでくれてありがとうだよぉ( ; ; )てか、ふぉー！reiちゃん！相葉さんに食べられるおてて……もう！やだ！さすが葉担！相葉さんを知り尽くしておる！(笑) (2018年8月24日 10時) (レス) id: 24735180e6 (このIDを非表示/違反報告)
mymy(プロフ) - キミさん» キミさん！ラストは私も書いてて、ふふってなりました(＾ω＾)最後までお付き合い下さりありがとうございました！ (2018年8月24日 10時) (レス) id: 24735180e6 (このIDを非表示/違反報告)
mymy(プロフ) - ともさん» ともさん！色々と忙しなく心動いた？(笑)やった！こちらこそ最後までお付き合いありがとうでした(＾ω＾) (2018年8月24日 10時) (レス) id: 24735180e6 (このIDを非表示/違反報告)
天使JUN(プロフ) - まいさん更新ありがとうございました。やっと読めました！もうこのお話もほんとに好きすぎます。もう何度読み返していることか……。切ないからの胸キュンで心臓わしづかみです！とっても素敵なお話読めてとても感謝してます。ありがとうございます！ (2018年8月22日 19時) (レス) id: ca5c92e834 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mymy
| 作成日時：2016年12月9日 0時
