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.







……ちょっと寝てしまってたみたい

目が覚めるとリビングで
机の上には酒の缶


今日、帰ってくるって言ってたのに

いつまで経っても淳太くんは帰ってこない



そういじけながら
また眠気に従って目を閉じようとした時




黄「ただいまぁ〜」





なんて間延びした
淳太くんの声が聞こえた




黄「あれ、照史?」





大阪からのお土産を手に持って
俺のそばにくる淳太くん

久しぶりに淳太くんに会えた喜びに

目からポロリと涙が零れた





橙「じゅんたくぅ〜ん…」

黄「ちょ、どうしたん」





戸惑う淳太くんを無視して
力強く抱きしめる

久しぶりのこの香水の匂いも

細い体も

全部が全部ほんまに愛おしくて、





橙「ぅ…ずぴっ、会いたかった…」





存在を確かめるように
ぎゅっと抱きしめると

淳太くんは俺を慰めながら

優しく背中を撫でた




黄「……落ち着いた?」





そう尋ねる淳太くんに
鼻をすすりながら頷く

淳太くんの服を涙で濡らしてしまったことに
申し訳なく思うが

淳太くんはそれについては何も言わない




橙「ごめん、服…」

黄「ううん、別にええよ

……ふふ、それにしてもほんまに
照史は泣き虫やなぁ」





そう笑う淳太くんは
あの時と変わらず




黄「昔から意外に繊細で寂しがり屋で
でも我慢強くて隠すんが上手くて

そんな器用なんやけど意外に不器用なところが

ずっと昔から、放っておけへんねん」




昔を懐かしみながら
俺を愛おしそうに見つめた
.









橙「……淳太くん、寝た?」

黄「ううん、起きてる」

橙「そっか…なぁ、淳太くん」

黄「うん?」

橙「ずっと俺のそばにいてくれる?」




そう尋ねると淳太くんは、




黄「照史こそ、俺から離れんとってや」





そう返事をするかのように
そっと俺を抱きしめた



この真っ暗な世界で

あなただけか道しるべ




そんな詩を思い出しながら

俺は眠気に身を任せ
腕の中に温もりを感じながら

そっと瞳を閉じた
.








Fin

君に届け 赤×黄→←*



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作者名:名無し | 作成日時:2021年11月23日 20時

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