貴方の傍に-4-【銀魂】

昨日の敵は今日の......？175 ページ25

賊を斬れと門下生達は木刀を振るった。
たった二人で柳生家へと乗り込んできた侍に士気が上がろうした瞬間、門下生が数人地面へと倒れた。

何事かと振り向くとそこには新たに笠を被った者が五人。

「な、なんだ貴様ら!!!」

土煙が完全に晴れるとそこに立っていたのは新八や近藤がよく知る彼ら。

「わりぃな二人じゃねぇ。


新八ぃ、今日から俺らも門下だ。
なんだっけ？天然パーマ流？」

まぁよろしく頼むと銀時の口から放たれた瞬間、銀時は即座に一太刀を浴びせた。
数人が勢いよく地面へと倒れる。

新八はつい安心した笑みを浮かべてしまった。

それに続く沖田、土方も軽々とひれ伏せていく。

「新八ぃ!!!てめぇは減給だぜ馬鹿たれぇ!!!

なんでこんな真似する前に俺に一言言わなかった！一人で煮詰まりやがって!!!」

神楽の蹴りや喜杏の太刀が門下生の顎や峰へと沈んだ。

「そうアル！一人でこんな面白そうな事シ〇シ〇計画して、一声かけろヨ!!!
お前はもう今日からシコッ八な!!!」

「いつも、こっちが勝手なことしたら怒る癖に……!!!
人のこと言えないから……!!!」

出てくる言葉は非難だが、彼らの手足は止まらない。バタバタと倒れていく門下生は焦りを感じていた。
自分達とはレベルが違うと。

「貴様らぁ!!!新八君の気も知らんで勝手抜かすなぁ!!!」

すると、近藤も木刀を門下生の頭に叩きつけた。

「新八君は巻き込みたくなかったというのがわからんのかぁ!!!」

「うるせぇゴリラ!!!さてはてめぇが新八誑かしたな!!!」

これは近藤達のエゴだ。
理由は知らぬがお妙の意思で自ら柳生家に嫁ぐことは理解している。

それでも気に食わないのだ。

嬉しそうでも喜びでもない涙を流した妙の顔が思い浮かぶ。
あんな顔でさよならなんて出来るはず無かった。

こんな真似してもお妙は望んでもなく、誰も喜ぶことも無いかもしれない。

「それでも自分の我を通したい奴だけがここに来た!!!

もう一度会いてぇ奴だけここに来た!!!」

つまり、大義も糞もない戦いなのだ。
だから新八と近藤は余計に巻き込むことが出来なかった。

近藤はチラッと土方達の方へと顔を向けた。

土方は加えていた煙草を口から離した。

「近藤さん、俺も我ぁ通しに来ただけだ。
柳生には仮がある、そいつを返しに来ただけだ」

「近藤さん俺も我ぁ通しに来ただけでさァ。
このままいけばゴリラを姐さんと呼ばなきゃいけなくなる」

ちなみに今日は土方、近藤は有給を取り、沖田はサボった。

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