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帰り道、落ち込む神楽を連れ万事屋へと夜道を歩く。

新八は電車通勤であるため、駅まで送りそこで解散したのだ。

はぁ。ほんと最悪だ。
花火とセットでもう一回酒を飲もうと思えば、顔も見たくねぇやつには会うわ、ジジイの余興に付き合わされるわ、土方に喜杏のこと疑われるわ。

偶然が偶然を呼ぶとは言うが呼びすぎだろ。

銀時は無意識に痛む左手を隠しながら歩く。

「……左手、どうしたの?」

しかし、血の匂いに敏感な喜杏には隠せるはずない。
銀時は本当のことは打ち明けず、誤魔化した。

「あーあ。折角の酔いが台無しだ」

「飲んでたの?」

「んー?まぁな。
はよ帰って寝るか。つーか神楽のこの落ち込みようは何なんだよ」

「このって何アルか!!!銀ちゃんにも関係することネ!!!」

「……手をつけてないご飯、全部落とした」

「は?」

「もう思い出したくもないヨ!!!」

「……全財産?」

「……ん」

銀時は膝から崩れていった。


__________________



男は手配書を見つめる。

祭りの日、騒ぎを引き起こした男の手配書だった。

「どうやら失敗したようだな」

煙管を口から離すと後ろから知った声がかかる。

声をかけた張本人、桂は高杉の隣に立った。

「思わぬ邪魔が入ってな。
牙なんぞとうになくしたと思っていたが

とんだ誤算だったぜ」

桂は横目で高杉を見る。
高杉の様子はまるで面白い玩具を見つけた子供のようだった。

銀時に会ったのだろう。
顔を見ればすぐに分かった。

「一人、おもしれぇ餓鬼がいた」

「餓鬼……?」

俺の微かな殺気に反応した餓鬼。
歳も十五もいかないような餓鬼が。

どんな場所で育てばあぁもなるのか。

「貴様……」

「そう警戒するんじゃねぇよ」

ただ興味を持っただけだ。
銀時が匿った餓鬼をな。

「……何かを護るためなら人は誰でも牙をむこうというもの。
かつてのお前のようにな。

だが今、護るものも何も無いお前は

ただの獣だ……高杉」

「獣で結構」

銀時とは違う。
桂、お前とも俺は違う。

「俺は護るものなんぞないし、必要もない。」

全て壊すだけだ。


獣の呻きが止むまでな。

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月見ソウ(プロフ) - 偃刄将さん» ありがとうございます!そう言ってもらえて恐縮です。これからもよろしくお願いします! (2020年4月30日 14時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
偃刄将 - 初めまして、作品読まさせて頂きました!面白いです、これから更新頑張って下さい!! (2020年4月30日 5時) (レス) id: 407c15182f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月見ソウ | 作成日時:2020年4月27日 22時

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