31 ページ31
豪華商品という餌に食いつき来てしまった万事屋。
喜杏の顔色はとても悪かった。
「……ほんとに来ちゃいましたね、銀さん」
「やるからにはてっぺん狙うぞ」
司会は定春について聞くが、定春は銀時の頭にかぶりついたままであった。
その様子を司会は心配したが銀時は何も無いかのように定春をいい子と言う。
それでも定春は食いつくのを辞めず、とうとう銀時の頭から血が流れてきた。
「銀さん、審査員引いてます」
唯一、神楽の言うことだけ聞くので何とかしてもらおうと試みるが、当の本人も緊張しておりディレクターに指示していた。
司会が上手くフォローし一旦CMに入った。
「ちょっと、ちゃんとやってくださいよ。
このままじゃ決勝までいけませんよ」
「そうか?審査員の奴ら、俺に釘付けになってだぞ」
「そりゃあなるわ!」
ペットに噛まれ血だらけになった人間が立っているのだから。
「二人とも動きが硬いネ」
「おめぇが一番ガチガチじゃねぇか!!!」
「……は、吐きそう」
「思ったよりこっちも酷かった!!!」
喜杏は口元に手を置き我慢し、銀時は背中を摩ってあげた。
CMが終わり次の出場者が現れた。
そこにいたのは海賊コスチュームに身を包んだ桂とエリザベスであった。
誰もが思うだろう。
「なにやってんのアイツ?」
指名手配中の攘夷浪士が変装までして参加していた。
余程エリザベスが気に入っているらしい。
「えー、あちらの定春ちゃんと対戦し勝ち残った方が決勝へと進める訳ですが……。
どうですか、自信の程は?」
桂は鼻で笑い、さも当たり前のように言った。
「あんなのタダのでかい犬じゃないですか
うちの実家の太郎もあれぐらいありますよ」
太郎がいるかは知らないが。
そんな言い方されると気にくわない。
「んだヅラァ!
てめぇのそのペンギンオバケみてぇな奴もな、うちの実家じゃ……
水道の蛇口ひねったら普通に出てきたぞ」
気にくわないがバレる嘘を言ってどうする。
出場者も揃ったことで対決が始まる。
司会者が投げた骨を先に咥え持ち帰った方が勝ちというシンプルなものだが、これには飼い主の誘導も必要となってくる競技だ。
「これもしかしたら勝てるんじゃない?
エリザベスはどう見ても鈍足だし!
ねぇ神楽ちゃん、喜杏ちゃん……」
振り向くとディレクターの格好をした二人がカンペを持ち、そこに「新八そこでボケる」と書き緊張から逃げていた。
「お前らもう帰れ」
204人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月見ソウ(プロフ) - 偃刄将さん» ありがとうございます!そう言ってもらえて恐縮です。これからもよろしくお願いします! (2020年4月30日 14時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
偃刄将 - 初めまして、作品読まさせて頂きました!面白いです、これから更新頑張って下さい!! (2020年4月30日 5時) (レス) id: 407c15182f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:月見ソウ | 作成日時:2020年4月27日 22時