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神楽達が辿り着いた場所は河川敷だった。
川が太陽の光を反射させとても綺麗だ。
「ここよく銀ちゃん達とも来る場所アル」
河川敷にはたくさんの人で溢れていた。
親子がピクニックをしていたり恋人がデートしいてる姿もある。
「だから次は4人でここに来るからナ」
春になれば桜が咲き河川敷を桃色に染め、夏になれば緑で溢れかえる。
秋は色付いた葉が風で揺れ、冬は雪が振りここは一面白景色となり変わる。
四季を感じるにはもってこいの場所だった。
神楽と喜杏は川に沿ってただ歩く。
喜杏はずっと神楽の後ろを着いてきていた。
徐々に日も落ち、先程まで賑わっていた河川敷も静かになってきた。
喜杏は銀時の言葉を思い出し神楽に声をかける。
「神楽、そろそろ帰らないと……」
「喜杏」
神楽は喜杏の言葉を遮るように名前を呼んだ。
神楽は振り向き喜杏の顔を見る。
「眠れないアルか?」
「え……」
神楽はずっと気づいていたのだ。一緒に寝ていて喜杏が眠れていないことを。
「私夢だったアル。こうやって妹とか弟と一緒に寝ること。
嬉しかったけど喜杏が眠れないないの困るヨ。
だからこういうの辞めるアル。」
そう言った神楽の顔は寂しそうに見えた。
眠れないことは図星だった。
しかしそれは今までの生活上、喜杏にとって仕方の無いことだった。
気配に敏感になってしまった身体はあんな風に距離を詰められるとつい身体が固まってしまい目が冴えてしまう。
あのね、神楽。
嫌じゃないよ。
慣れてないだけなの。
たった3言。
伝えるのは一瞬な筈なのに喜杏はどう伝えたらいいのか分からない。
「ごめんネ。早く帰るアル。銀ちゃん遅くなるとうるさいネ」
神楽は背中を向け帰ろうとする。
喜杏は焦った。言わないとと。行ってしまう前に自分で伝えないとと。
「…!や、じゃ……ない!!」
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月見ソウ(プロフ) - 偃刄将さん» ありがとうございます!そう言ってもらえて恐縮です。これからもよろしくお願いします! (2020年4月30日 14時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
偃刄将 - 初めまして、作品読まさせて頂きました!面白いです、これから更新頑張って下さい!! (2020年4月30日 5時) (レス) id: 407c15182f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見ソウ | 作成日時:2020年4月27日 22時