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銀時はスナックお登勢の暖簾をくぐり、お登勢に髪留めを持ってないか聞いた。

「なんでそんなものがいるんだい」

お登勢が銀時にそう聞いた後に続き喜杏が店に入ってきた。
お登勢はあぁと口にし……

「神楽の次にこの子かい」

「あるか?髪留め」

「ちょっと待ってな、見てきてやるよ」

お登勢は髪留めを探しに席を外した。
銀時は横目で喜杏を見ると、落ち着かないのか少しソワソワしているように見えた。
銀時は喜杏を呼びカウンター席に座らせる。

「その髪じゃ何がするのに邪魔だろ?」

「……!」

「生憎そんな女子っぽいものは持ってなくってな」

「いい、よ。こんなに貰ってるのに」

「出社祝いって思っとけ」

銀時は喜杏の頭を撫でた。
喜杏はまだ慣れていないのか体を少し固くさせた。

「ほら」

お登勢は銀時に頼まれた髪留めを渡した。
それはとてもシンプルなものであるが花の装飾一つでとても可愛らしいものであった。

「バァさんこんなもの持ってたのかよ」

「昔貰ったものだったんだがそういう髪留めは使う機会がなくてね。念の為大事に取ってただけさ」

銀時は喜杏に後ろを向かせる。
そして喜杏のサラサラな髪を丁寧に束ねる。貰った髪留めでくくると、飾りが喜杏の髪にとても似合っていた。

「似合うじゃないか」

お登勢は穏やかな顔をし喜杏に伝える。
喜杏は手を後ろにやり髪留めの存在をちゃんと知った。
嬉しく思う反面、喜杏は困惑していた。
ずっと与えてもらってばかりでどうしたらいいのか分からないのだ。

お登勢はそれを見切ってか口を開いた。

「そんな顔されたらあげた方も申し訳ないって思ってしまうよ」

「……!」

「こういうときは素直にありがとうでいいんだ。
私達だってあんたに喜んでほしいからあげてるんだよ」

「あ、」

銀時もお登勢も耳を済ました。

「ありがと……ございます」

小さな声だがハッキリ二人の耳には聞こえた。

お登勢はフッと笑い、煙管を手に持った。

「いいんだよ。家賃に上乗せしとくから」

「おいィィィ!」

喜杏は不思議そうな顔でお登勢を見た。
お登勢は何か困ったことがあったらいつでも来なと伝えた。

お登勢は帰ろうとする銀時の背中に声をかけた。

「銀時」

「あ?」

「あの子も色々とあるんだろ。しっかり見てあげるんだよ。
大人の責任さ」

「言われなくっても分かってるわ」

そう言い銀時は喜杏と外に出た。
お登勢は煙管を吹き扉を見つめる。

「守ってやるんだよ、銀時」

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月見ソウ(プロフ) - 偃刄将さん» ありがとうございます!そう言ってもらえて恐縮です。これからもよろしくお願いします! (2020年4月30日 14時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
偃刄将 - 初めまして、作品読まさせて頂きました!面白いです、これから更新頑張って下さい!! (2020年4月30日 5時) (レス) id: 407c15182f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月見ソウ | 作成日時:2020年4月27日 22時

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