イレイザーは先生兼保護者【ヒロアカ】2 (ページ39)

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(33)お互いにページ39

in 観覧席下 1階通路

決着がついたと分かってすぐに観覧席から飛び出してきた

いっちゃんの試合をしっかり見たいけど、流石に自分の試合の1つ前までには控え室でソワソワする心を落ち着けたい

『えぇ？第2控え室どこ〜？』

早めに控え室に行きたいのにこの辺は迷路みたいだ

《 IYAHA(イヤハ)！
緒戦にしちゃ地味な戦いだったが！！
とりあえず両者の健闘を称えてクラップユアハンズ！！》

通路にスピーカーは設置されていないけど、声が反響して観覧席と同じくらいの音量で聞こえる

情けないことにまだ控え室が見つからない
私は方向音痴なのかもしれない

『マイク先生ついでに控え室の場所も教えて…』

そんな調子でさまよっていると、”第2控え室”とドアに紙が貼ってあるのを見つけた

やっと見つけたと、安心しつつドアノブに手を掛けると勝手にドアノブが回転して引っ張られた

『へ、わわわ…！？』「お」
ドアが開くと轟くんと目が合う

どうやらほぼ同時にドアを開けようとしたみたいだ
轟くんは何も言わない
非常に気まずい

『ごっごめん、もう時間だから居ないと思っちゃった
ノックすれば良かったね』

轟「いや別に…俺はもう出てく

そういえばお前、俺の次か

……俺は、お前も倒さなくちゃいけねぇ

だから、勝ち上がってこいよ」

『えっ…う、うん』

倒さなくちゃ、いけない(・・・・)って…

いっちゃんの時と同じだ
私の事も左側を使わずに勝てる強さがあるって証明するんだろうな

轟くんは割り切って生きてるのかもしれないって思ったけど…
そうじゃなくって、ずっと、思ったよりも、もっと、執着みたいななにかがある気がする

…私も、知ってる人から見たら同じなのかな
お互い、ずっと親に縛られてる…のかも

それでも、少なくとも、その個性は両方とも轟くんのものなのに

聞いてくれるかもわからないけど何か声を掛けたくなって手を伸ばした

『待っ………あぁ…』

でも、もう轟くんは私とドアの間をすり抜けていて

早足で廊下を行く轟くんの背中はどこか苦しげだった