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『いっちゃん…！？』
同じ観覧席にいる尾白くんが頭を抱えて叫ぶ
尾「ああ緑谷！折角忠告したってのに！！」
心操くんの個性はあんまり知らないけどいっちゃんがまずいことをしたのはよくわかった
《オイオイどうした大事な緒戦だ盛り上げてくれよ！？
緑谷、開始早々完全停止！？
アホ面でビクともしねえ！！心操の個性か！？》
心「振りむいてそのまま場外まで歩いていけ」
心操くんがそう指示をするといっちゃんは物言わぬ操り人形のよう動き出す
一歩、また一歩と場外へ近づいていく
『あぁ…！』
いっちゃんここまで来たのに！
こんなにあっさり負けちゃうの…？
場外のラインへ最後の一歩がかかる
その時
いっちゃんの指が暴発した
大きく砂埃が舞う
《＿＿これは…
緑谷！！とどまったああ！！？》
『いっちゃん！』
よし！やったぞ！いっちゃん！
見てた感じ心操くんの個性は多分応答することがスイッチになるから、これで答えなければ…！
心操くんが個性を使うためにいっちゃんを煽る
心「指動かすだけでそんな威力か！羨ましいよ！
俺はこんな個性のおかげでスタートから遅れちまったよ」
元無個性のいっちゃんが苦しそうな顔をする
心操くんと同じような気持ちを長らく味わっていたんだろう
それでもいっちゃんは口を固く閉ざしたまま前進する
心「恵まれた人間にはわかんないだろ！
誂え向けの個性を生まれて望む場所へ行ける奴らにはよ！！」
いっちゃんが心操くんに掴みかかった
押してそのまま場外に出すつもりだ
心「おまえが出ろよ！」
心操くんがいっちゃんを振り払いふらついたいっちゃんの頭を右手で押し込んだ
それをすかさずいっちゃんが掴む
爆「『あ』」
緑「んぬぁああああ！！！」
これ…！かっちゃんの右の大振りのときの…！
思いっきり心操くん背負い投げして叩きつけた
心操くんの足は線からはみ出している
ということは…
ミ「心操くん場外！！
緑谷くん二回戦進出！！」
『勝った…！』
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作者名：文旦 | 作成日時：2022年11月30日 3時
