イレイザーは先生兼保護者【ヒロアカ】2 (ページ15)

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・甘い優しさページ15

爆「困る前に言え、面倒見コロス」

返信に追われる私にそんなことを言いながら席に帰っていく

『…殺されたら私の残機なくなっちゃうんだけど』

爆「おぉそうだな」

適当な返事をして鞄を漁りぐるっと踵をかえす

私の机に大福、お饅頭、どら焼きの、低くてバランスの悪いピラミッドが建築された

爆「回復しとけ」

『いいの！？なんであるの！？』

爆「あー…俺の3時のおやつだ
ありがたく食え」

『…んふふふふ、ありがとぉ』

おやつって笑
いつも食べてない癖に

それから少しずつ教室に人が入ってくる
皆、私を見ては驚きと心配の声を上げた

登校ラッシュ第1波組はめいめいUSJでの事件について語る
私が倒れてから来たオールマイトの話や各場所での状況がようやく掴めてきた

廊下が騒がしくなって正門前も活気づく
そろそろ普通に間に合う時間に来る人達の第2波が起こるだろう

そんな時に外から必死な声とバタバタ走る音が聞こえた

「廊下は！走るべきではないとっ！待つんだ！」

「ごっ、ごめんっ！でも今日だけ！」

教室の扉が慌てて開く

緑「陽ッ！ちゃん！あ゛あ！いた！」

飯「緑谷くん！廊下を走るなとあれだけ…！
それにまだ急ぐ時間でもないだろう！」

緑「ごめん、でも陽ちゃんの事すぐに確認したくて…」

飯「ｳﾑ、だが次は気をつけるんだぞ！」

緑「うん、気をつける」

すぐに注意を忘れたかのように小走りでいっちゃんは私の元に来た

緑「連絡見たよって、君まだ怪我治ってないじゃないか
痛くない？大怪我だろ、学校来て大丈夫なの？治癒されたって疲れてるんじゃ、」

走ったせいで息が切れた間に言葉を挟む

『一応学校行っていいって許可もらったの
だから、そこまで慌てなくても』

大きな目をさらに大きく見開いて割り込んでくる

緑「何言ってるの、慌てるよっ！
あの時血まみれだっただろ、もうホントにドキドキしたんだから…
あぁ…もぉー、これきりにしてよ陽ちゃん」

『うん、できる範囲で、ね？』
緑「約束してぇぇ泣」

ヒーローには怪我がつきものでしょう？
そう思うけどそれを言ってしまったら皆からの心配も優しさも無下にしてしまう気がするから

緑「あ、そうだっ
連絡きてから買ったからコンビニのだけど」

『ふふふふふっ』

どら焼きをすっと差し出される

ほらやっぱり無下にできない

今はまだ
心配されても、小言を言われても
甘いものが食べたい

似たもの同士の幼なじみからの優しさも甘んじて受け入れることにする