sin,13 ページ15
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潰されていたエースを起こして、大釜を落として助けてくれた？人を見てみる。青い髪に合わせてエースとは反対の眼に、スペードが描かれていた。
「罰で窓拭き100枚って一体、君たち何をやったんだ？」
不思議そうな顔をしている、スペードくんにエースが石像を焦がしたことを教えると凄く驚いていた。やっぱり、あの石像物凄く大事なやつだったのだ。
「っるせーな、つかお前誰だよ？」
「あぁ、僕はデュース。デュース・スペードだ……クラスメートの名前くらい覚えたらどうだ？えっと、」
「お前も覚えてねーじゃん」
スペードくんは、本当にスペードという名前だったみたい。2人が言い争っているのを眺めながら、違和感に首を傾げる。
『やけに静かだけど、グリムだいじょ……って、あー!!』
「!!びっくりした。なんだよ、って……あ！毛玉がいない！」
さっきまで、隣にいたはずのあの黒い毛玉の姿がどこにもない。恐らく、エースを身代わりに逃げ出したのだろう。憎たらしい顔で笑っている姿が容易に想像出来る。ｰｰあんの、ばか狸!!
「おいそこの、ジュース？」
「ジュースじゃない!!デュースだ！でゅ!!」
「お前にも責任あるんだから、あの毛玉捕まえるの手伝えよ！」
2人が言い争っているの眺めていると、不意にエースと視線が交わる。合ったはずの目は、直ぐに逸らされたが。
「あーっと、そこの女は魔法使えないから戦力外！行くぞ！」
『やった！……じゃなくて、ザンネンダナー』
「やっぱ、お前も来い!!」
グリムを身代わりに今度は私が逃げてやろうと思ったのに。エースにジトッとした目で見られ、勢いよく腕を掴まれてしまった。
そして、本日2度目の鬼ごっこが始まったのだ。
■■
その後、グリムを見つけたはいいが一向に捕まえられない。その原因は、間違いなくこの2人だ。あと1歩という所で、直ぐに喧嘩を始めてしまい逃げられてしまう。
『あの、うちの狸が迷惑をかけてるから、非常に言い難いんだけど……2人とも捕まえる気ある?!』
「な、うるっせーな!!こいつがオレに合わせねーから！」
「僕のせいじゃないだろう?!お前が、なんでも突っ走るから」
堪らずそう言うと、2人ともほぼ同じタイミングで反論してきた。
『とりあえず、君はいい加減私のこと離してくれないかな？』
「あ。っ、お前が逃げるからだろ！」
私の言葉に、頬を一瞬赤く染めたエースに勢いよく手を離された。ｰｰ初心なの？？
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作者名：ちょこもち | 作成日時：2020年4月24日 13時
