花弁がななつ ページ9
◆◇
目が覚めると、華咲さんはとても豪華な食事を用意してくれていた。
今まで、私がご飯を作っていたから驚いた。その美味しさにさらに驚いた。
傷だらけでボロボロな体を無理やり動かして、あっという間に食事を平らげた私。
そんな私をずっと、華咲さんは優しい顔で見ていた。
落ち着いた後、華咲さんに座るよう言われた。
「あんたに話さなきゃいけないことがある」
『なんですか?』
「あんたが使った呼吸。あれは、生の呼吸といってね私が生み出したものなんだよ」
『へぇ、ってえぇ?!』
聞けば、華咲さんは柱だったらしい。うん。何となく察してたよ。だって、めちゃくちゃ強かったし。
どうりで、原作にはない呼吸だったわけだ。
私がトリップしたことでバグが生まれたのだろうか。
『でも、なんで私が使えて……?』
「私もわからん。だが、これだけは言える。A、あんた鬼殺隊に入りな」
『は?……き、鬼殺隊ぃぃ?!無理無理、絶対死ぬっ!!』
なんで呼吸が使えたからといって、鬼殺隊ならなきゃいけないの?!
確かに、かまぼこ組とか柱とかには会いたいよ?!
でも、死にたくない!
「生の呼吸を使える者はね、全ての者に愛されるんだよ。花、蟲、獣、人にさえも。命あるもの全てに愛されるんだ」
『愛されるからなんだっていうんですか……』
「全ての者と言っただろう?それは鬼も例外じゃない」
「しかも、あんたは稀血なんだよ」
『う、そでしょ』
「稀血のことも知ってたのかい?あんたほんと、何者だい?」
私の前で苦笑する華咲さん。
稀血、もちろん知ってる。鬼が好む人のことだ。呼吸のせいで、愛されやすくなっているのに加え稀血とか……
『私は、鬼殺隊になったほうが安全ってことですよね』
「本部は巧妙に隠されているし、剣の技術にたけた柱もいる。ここにいるよりもよっぽど、良いんだよ」
そうだ。ここにいたら、いつか鬼がやってくるかもしれない。
そうしたら、きっと迷惑をかけてしまう。
元柱とはいえ、華咲さんに無理はさせたくない。
___私はここにいちゃダメなんだ。
「いつでも帰っておいで」
突然、華咲さんの手に包み込まれた。
いつの間にか硬く握りしめていた私の手のひらをいたわるように、優しく。
ハッと顔を上げると、華咲さんは優しさに満ちたような笑い方をしていた。
『い、いいんですか?』
「当たり前だろ。ここはあんたの家なんだから」
その言葉に何故か、涙が溢れて止まらなかった。
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ちょこもち(プロフ) - RiXDiQRqwJmNoA0さん» コメントありがとうございます。善逸ってめちゃくちゃ可愛いですよね!可愛い善逸目指して書いているのでそう言っていただけると嬉しいです! (2019年11月17日 23時) (レス) id: cb630583b4 (このIDを非表示/違反報告)
RiXDiQRqwJmNoA0(プロフ) - 善逸の結婚しようから夜中に奇声を発していました、なのに!なんなんですかこのかわいさ!もはや最高です。 (2019年11月17日 22時) (レス) id: 38913fc6bb (このIDを非表示/違反報告)
ちょこもち(プロフ) - わろちさん» 夢主は普通の高校生からのトリップなので、まぁ…すぐ腕おられますよね笑ありがとうございます (2019年6月29日 9時) (レス) id: cb630583b4 (このIDを非表示/違反報告)
わろち - 簡単に腕折られてて笑った。おもろいけどさ (2019年6月29日 0時) (レス) id: 1a2b7bb68b (このIDを非表示/違反報告)
ちょこもち(プロフ) - アイスクリームさん» すみません!私も更新した後に気づいて、全て続編の更新と共に直す予定です。本当にすみません! (2019年6月26日 23時) (レス) id: cb630583b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこもち | 作成日時:2019年5月31日 22時