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炎がひとつ ページ31

煉獄side


「鬼が出たァ!北の方!神羅Aが交戦しているゥ!」

あの少女が連れていた鳩が慌てたように、俺の方へと飛んできてそう言った。


「む!そうか!」


早く早く!と鳩が急かすあたり、よっぽど彼女が心配なのだろう。
地面を蹴り、俺はすぐ鳩が案内する方へと向かった。

先程の、恐怖と心細さで顔を歪める少女が浮かぶ。……なるべく、早く向かうか!


『生きたいと、願ったことさえ忘れてしまった化け物風情が偉そうに……人間を語んなよ』


そう、思っていたんだが。
俺が駆けつけた時には、顔を涙で濡らしているわけでもなく鬼殺隊らしく鬼に向かっていた。

丁度いい!生の呼吸を見させてもらおう!
助けるのをやめて、眺めていると彼女が刀を構える。

__生の呼吸 参ノ型 麒麟

彼女が呼吸を使ったと共に、雷鳴のような音が轟いた。思わずその衝撃の強さに目をつむる。

次に目を開けた時には、土埃と共に炎があがっていた。


「よもやよもや!全て焼き尽くしてしまうとは!!」


驚いたことに、そばにあった民家は全て鬼もろとも灰になっていた。
鬼がいたはずの場所は特に酷く、大きな穴が空いていた。

さっき、周りの民家にいた人々を避難させておいて良かった!と心底思った。
もし、人がいたら……考えるだけで恐ろしい。

少女は、鬼がいたであろう場所を見ていた。


『どれだけ惨めだろうが、私は生きてやる。生きることが、私の誇りだから』


そう言い放った少女の瞳は月光に照らされ、強く輝いていた。


「きゃあぁぁ!!」


神羅少女の名を呼ぼうとした時、すぐ向こうから悲鳴が聞こえた。


「うるせぇ!!静かにしろ!!」


ふむ。鬼めが、この騒ぎに集まってしまったのか。

どこから持ってきたのか包丁で女の人に斬り掛かろうとする鬼。
咄嗟に、女の人を背で庇ってから隙ができた鬼の首を斬り落とした。


「大丈夫でしたか?」

「は、はい!ありがとうございます……っ!」

『煉獄さん!!』


震えているが女の人には怪我がなく、安心していると神羅少女の焦った声が聞こえた。


「む!神羅少女!先程の、呼吸素晴らしかったぞ!!」

『ありがとうございます!……じゃなくて!煉獄さん、怪我してるじゃないですか!』


ふと肩を見れば確かにぱっくりと切れていた。
雑魚鬼かと思ったが、力は強かったようだな!


「なにこんなもの気にするな!」

『気にしますよ!馬鹿!』


いつものことだと思って、笑顔で言うと神羅少女が声を荒らげた。

炎がふたつ→←花弁がにじゅうろく



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設定タグ:鬼滅の刃 , 転生トリップ , 原作沿い   
作品ジャンル:アニメ
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ちょこもち(プロフ) - RiXDiQRqwJmNoA0さん» コメントありがとうございます。善逸ってめちゃくちゃ可愛いですよね!可愛い善逸目指して書いているのでそう言っていただけると嬉しいです! (2019年11月17日 23時) (レス) id: cb630583b4 (このIDを非表示/違反報告)
RiXDiQRqwJmNoA0(プロフ) - 善逸の結婚しようから夜中に奇声を発していました、なのに!なんなんですかこのかわいさ!もはや最高です。 (2019年11月17日 22時) (レス) id: 38913fc6bb (このIDを非表示/違反報告)
ちょこもち(プロフ) - わろちさん» 夢主は普通の高校生からのトリップなので、まぁ…すぐ腕おられますよね笑ありがとうございます (2019年6月29日 9時) (レス) id: cb630583b4 (このIDを非表示/違反報告)
わろち - 簡単に腕折られてて笑った。おもろいけどさ (2019年6月29日 0時) (レス) id: 1a2b7bb68b (このIDを非表示/違反報告)
ちょこもち(プロフ) - アイスクリームさん» すみません!私も更新した後に気づいて、全て続編の更新と共に直す予定です。本当にすみません! (2019年6月26日 23時) (レス) id: cb630583b4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちょこもち | 作成日時:2019年5月31日 22時

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