花弁がにじゅうご ページ29
◆◇
聞こえてきた悲鳴を無視するわけにもいかないので、煉獄さんとは反対方向へと走った。
「ねぇねぇ！痛い？痛いよねぇ！もっと泣いてくださいな？」
「ひっ、おえっ……！うぐっ……」
走っていると、2つの話し声が聞こえて咄嗟に物陰に隠れ様子を伺おうとした。
『ひっ……!!』
危ない。口を抑えていなかったら、思わず叫び出しそうだった。
目線の先には、予想通り鬼がいた。問題は襲われている女の人だ。腕が本当にあらぬ方向へと、捻れていた。着物も大量の血で赤く染っている。
「人って哀れねぇ！これでもまだ息があるもの！ねぇねぇ！次はどうする腸を抉り出してみましょうかっ?!」
狂ってる。殆どの鬼は、人を食べ物としか見ていない。
だが、今ここにいる鬼は違う。明らかに人を玩具か何かだと思っている。
クイッと鬼が女の人を右手の人差し指でさしてから、その指を右に向けた。
「イヤァァァッ……いだい、やめ、て……！」
途端、女の人の右足が右に折れた。
あれは、血気術?!まずい。煉獄さんを呼ばないと……！
『鳩！今すぐ、煉獄さんに伝え……』
「ねぇ、貴方はだぁれ？」
鬼が女の人から視線を外した。
まずいまずい!!バレた?!どうする？一旦逃げる？
「こちらへいらっしゃいな」
『へ？』
パニックを起こしていると、鬼がスっと手招きする。
それと同時に、なぜか私の腕がそちらへ引っ張られた。
うそうそ！なんで?!
目の前には、ニィッと不気味に笑う鬼。
「その隊服と刀……貴方、鬼殺隊？」
『違います。人違いです』
「いけないわねぇ？鬼殺隊が人を見捨てるなんて」
私の後ろにはガタガタと震えている女の人。
に、逃げてないし。上司呼ぼうとしただけだし。
「決めたわ！次は貴方にしましょう！」
ニヤリ、と鬼が笑ったと思うと左手の人差し指を左に曲げた。
『い"っ!!』
ゴキっと嫌な音がして、私の左腕が左に折れた。これさっき見た血気術!!
痛みで頭がどうにかなりそうだった。
叫ぶことさえできず、鈍い声が漏れ涙があふれる。
そんな私を鬼は、恍惚した表情で見ていた。
「私ね、この紙がくっついている部分を好きな方向に動かせるの。ま、１回動かしたら消えちゃうんだけど。ねぇ、」
ヒラヒラと鬼が袖から模様が書かれた紙を出した。
左腕を見れば、確かに同じ紙が燃えて消え始めていた。
「貴方にこの紙を、一気につけて曲げたらどうなるのかしら？」
……煉獄さん。私は貴方を一生、恨みます。
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ちょこもち(プロフ) - RiXDiQRqwJmNoA0さん» コメントありがとうございます。善逸ってめちゃくちゃ可愛いですよね！可愛い善逸目指して書いているのでそう言っていただけると嬉しいです！ (2019年11月17日 23時) (
レス) id: cb630583b4 (このIDを非表示/違反報告)
RiXDiQRqwJmNoA0(プロフ) - 善逸の結婚しようから夜中に奇声を発していました、なのに！なんなんですかこのかわいさ！もはや最高です。 (2019年11月17日 22時) (レス) id: 38913fc6bb (このIDを非表示/違反報告)
ちょこもち(プロフ) - わろちさん» 夢主は普通の高校生からのトリップなので、まぁ…すぐ腕おられますよね笑ありがとうございます (2019年6月29日 9時) (レス) id: cb630583b4 (このIDを非表示/違反報告)
わろち - 簡単に腕折られてて笑った。おもろいけどさ (2019年6月29日 0時) (レス) id: 1a2b7bb68b (このIDを非表示/違反報告)
ちょこもち(プロフ) - アイスクリームさん» すみません！私も更新した後に気づいて、全て続編の更新と共に直す予定です。本当にすみません！ (2019年6月26日 23時) (レス) id: cb630583b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこもち | 作成日時：2019年5月31日 22時
