少女よ、咲き誇れ 【鬼滅の刃】

花弁がにじゅうよん ページ28

◆◇


『ところで煉獄さん。私、任務の内容よく知らないんですけど……』

煉獄さんはあの後、何度言っても話を聞いてくれなかった。

諦めた私は、今回の任務について聞く。
原作では炭治郎は女の子を喰う鬼を倒し、鬼舞辻の所へと近づいているはず。

その間の柱のことは、描かれていないので私が知るわけもない。


「とある村で夜になると鬼が現れるらしい！今回は、その鬼を討つ！」

『あ、意外と普通ですね！』


良かった〜と私が言いかけた時、


「しかし被害にあった者は、みなあらぬ方向に骨が折れ曲がり腕、足、腹、のいずれかの部分だけ喰われているという話だ」

『帰っていいですか？』


柱がいる時点で、雑魚鬼じゃないことは薄々気づいてた！でもね、バイレンスすぎない？

私、ホラー映画は見れてもリアルは無理だよ？


『あの、煉獄さん凄く申し訳ないんですけど…私、急にお腹の調子が……』

「着いたぞ！」


目の前でニコニコと笑っている煉獄さんが今は、いよいよ死神かなにかのように見えてきた。

煉獄さんに引きずられるようにして村へと入っていく私。

頭上の空は、太陽がゆっくりと沈み始め赤く染まっていた。

◇


「というわけで、ここからは別行動にしよう！」

『いや、どういうわけかさっぱり理解出来ないんですけど?!』

夜もすっかり更け、いよいよ任務開始といった時、煉獄さんが鬼畜なことを言い出した。

なんでも、今回の鬼は襲う人に規則性はなく神出鬼没らしい。
だから、二手に別れて探した方が効率がいいという。確かに、そっちの方が早い。でも、


『無理です！無理無理絶対無理ですって！お願いですから、1人にしないでくださいぃぃ』


こちとら鬼殺隊になって、まだ1日。無茶にも程があるでしょ?!


「だが、ここで2人で固まっていても仕方ないだろう！鬼が出たら鳩を使って伝えてくれ！すぐ行く！」


俺は村のおよそ3分の2を見て回る。君は残りを頼む！と、安定の話を聞かない煉獄さん。


「くれぐれも死なないようにな！」

『いや、ほんと無理ですってば！ちょっ……』


強い風が吹いて一瞬目を閉じる。すぐに、目を開けたが煉獄さんの姿はなかった。


『だから話聞けよ、バカぁっ!!』


思わず空に向かって叫んでしまった。
その時、煉獄さんがいる方とは反対の道から悲鳴があがった。


「きゃあぁっ」


……なんで煉獄さんと離れた瞬間、悲鳴とか聞こえてくんの。意味わかんないんだけど、出てくるタイミング可笑しいよ鬼さん。

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