雷の音がひとつ ページ17
善逸side
俺、ここで死ぬのかなぁ。
目の前にいる2匹の鬼を見つめながら、ぼんやりとそんなことを悟った。
「人肉は久しぶりだぜェ」
「おい、邪魔すんなよ?!俺が先に見つけたんだぞ?!」
鬼は、そんな俺の心情なんて知らずどちらかが俺を食べるかということで争っていた。
嫌だなぁ。せめて、可愛い女の子と結婚したかったな。
可愛い、といえば最終選別が始まる前にいたあの女の子……可愛かったなぁ。
初めて、だった。
いつも女の子達は俺を見ると、冷たい目をするのにあの子は花が咲いたような笑顔を向けてくれた。
嬉しかったなぁ。……名前、なんて言うんだろうか。
あの女の子の姿を思い浮かべていると、鬼の音とは違う音が聞こえるのに気づいた。
誰でもいい、助けてくれ!!
藁にもすがる思いでそっちに目を向けた。
「?!……あ、……」
そこにいたのはさっきまで、会いたいと思っていた女の子だった。
女の子の綺麗な黒い瞳と目が合う。
思わず助けてくれ、と言いそうになったのをグッとこらえた。
だめだ。あの子に助けを求めちゃダメだ……!!
もし助けに来て怪我してしまったら大変だし、巻き込みたくない……。
震える口で、逃げてと口を動かした。
これで大丈夫。きっと、あの子は逃げれるはずだ。
最後に俺、結構かっこいいことしたなー!
なんて、能天気に考えていたのに……目の前にはなぜか、さっきのあの子。
「だ、だめだよ……!逃げて」
君が、怪我をしちゃう。
その言葉は、彼女が刀を振るったと同時に消えた。
___生の呼吸 弐ノ型 月下獸
鬼の首を落とす姿はまるで、獣の様に荒々しかった。
でも、その凛とした姿と
『君、大丈夫?』
その声に、俺の中で何かが落ちる音がした。
その音が淡くて甘酸っぱい想いの始まりだと俺が知ったのは、もうちょっと後になる。
◇
勢いのまま、結婚してください!と連呼していた俺に引くことなく自己紹介してくれた神羅A。
最初は、Aちゃんと呼んでいたんだけどAちゃんって柄じゃないからと笑われAになった。
ふと話していると、気づいた。Aといると、とても落ち着くことに。
優しい音と跳ねるような明るい音が混ざっていて、心が暖かくなる。
でも、たまーに緊張や恐怖といった音の類のものが混ざってくる。
独特の今まで聞いたこともないような音だけど俺は、Aの音が好きになった。
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ちょこもち(プロフ) - RiXDiQRqwJmNoA0さん» コメントありがとうございます。善逸ってめちゃくちゃ可愛いですよね!可愛い善逸目指して書いているのでそう言っていただけると嬉しいです! (2019年11月17日 23時) (レス) id: cb630583b4 (このIDを非表示/違反報告)
RiXDiQRqwJmNoA0(プロフ) - 善逸の結婚しようから夜中に奇声を発していました、なのに!なんなんですかこのかわいさ!もはや最高です。 (2019年11月17日 22時) (レス) id: 38913fc6bb (このIDを非表示/違反報告)
ちょこもち(プロフ) - わろちさん» 夢主は普通の高校生からのトリップなので、まぁ…すぐ腕おられますよね笑ありがとうございます (2019年6月29日 9時) (レス) id: cb630583b4 (このIDを非表示/違反報告)
わろち - 簡単に腕折られてて笑った。おもろいけどさ (2019年6月29日 0時) (レス) id: 1a2b7bb68b (このIDを非表示/違反報告)
ちょこもち(プロフ) - アイスクリームさん» すみません!私も更新した後に気づいて、全て続編の更新と共に直す予定です。本当にすみません! (2019年6月26日 23時) (レス) id: cb630583b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこもち | 作成日時:2019年5月31日 22時