花弁がひとつ ページ2
◇◆
「A……一緒になろう?」
暗くなっているとはいえ、まだ8時だし大丈夫でしょ〜って思った数分前の私を殴りたい。
目の前の、ニィッと不気味な笑みを浮かべる元彼をみてそう後悔した。
『ちょっ……一旦、落ち着こう?ね?』
後ずさりながら視線は、元彼の手元から離れられない。
街頭の光を受けて鈍く銀色に光る包丁。
「大丈夫。僕も、すぐに逝くから」
イカれた元彼の耳には、私の声は聞こえていないようだった。
助けを呼ぼうと、視線を少しだけ外したのが間違いだった。
『……っは、?』
ドスッと鈍い音共に、お腹に強烈な痛みが走った。
痛かった。痛いと叫びたかったけど、喉は声のかわりにゴボッと嫌な音を出した。
口を抑えていた手から真っ赤な液体が溢れ出たのを見て、それが血だと分かった。
立っていられなくなって、私の体はふらりと地面に倒れた。
「寂しくないからね、A」
そんな私の目の前に元彼は座り込むと、どこに隠していたのかもう1つ包丁を出した。
なに、するの。
そんな言葉さえ、口に出す力がなかった。
元彼は包丁を自分の首に当てると、一気に斜めに切り裂いた。
赤い、赤い、血飛沫が元彼からあがる。
それは、白い光に照らされて私の目の前でボタボタと落ちた。
まるで花みたいだなぁ、なんて呑気なことを考えていると急な眠気に襲われた。
最後に見えたのは元彼の歪んだ笑顔と、
「A、愛してる」
最悪な愛の告白だった。
そこで、私の世界はプツリと途切れた。
◇◆
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ちょこもち(プロフ) - RiXDiQRqwJmNoA0さん» コメントありがとうございます。善逸ってめちゃくちゃ可愛いですよね!可愛い善逸目指して書いているのでそう言っていただけると嬉しいです! (2019年11月17日 23時) (レス) id: cb630583b4 (このIDを非表示/違反報告)
RiXDiQRqwJmNoA0(プロフ) - 善逸の結婚しようから夜中に奇声を発していました、なのに!なんなんですかこのかわいさ!もはや最高です。 (2019年11月17日 22時) (レス) id: 38913fc6bb (このIDを非表示/違反報告)
ちょこもち(プロフ) - わろちさん» 夢主は普通の高校生からのトリップなので、まぁ…すぐ腕おられますよね笑ありがとうございます (2019年6月29日 9時) (レス) id: cb630583b4 (このIDを非表示/違反報告)
わろち - 簡単に腕折られてて笑った。おもろいけどさ (2019年6月29日 0時) (レス) id: 1a2b7bb68b (このIDを非表示/違反報告)
ちょこもち(プロフ) - アイスクリームさん» すみません!私も更新した後に気づいて、全て続編の更新と共に直す予定です。本当にすみません! (2019年6月26日 23時) (レス) id: cb630583b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこもち | 作成日時:2019年5月31日 22時