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花弁がろくじゅうなな ページ32

◇◆


「相変わらず、Aさんの回復は早くて驚きですねぇ」

『本当ですね。腕振り回しても、全然平気です』


ブンブン腕を振り回す私に、しのぶさんは頬笑みを浮かべた。この言葉でお察しの通り、折れていた私の腕は僅か一日で完治したのだ。

そんな私を善逸は有り得ないと眺め、炭治郎は良かったと安堵している。この2人はいつも通りだが。伊之助は、


『い、伊之助くん?大丈夫?』

「気ニシナイデ」


ガタゴトでそう繰り返すばかり。最初こそは、その変わり様に爆笑していたがいよいよ笑えなくなってきた。

炭治郎と善逸が一生懸命慰めても駄目らしい。例え、私のことを忘れるようなアホ猪でも元気になって欲しいとは思う。


『これでも食べて元気だしてよ。誰でも負けることはあるって』

「いや、なんで金平糖??」


善逸が不思議そうな顔をするが、特に意味は無い。強いて言えば初めて会った時、金平糖を気に入っていたみたいだったから渡しただけだ。

掌に乗っかる小さな砂糖菓子の塊を見つめていた伊之助は突然、私の方に視線を変えた。


「オマエ……もしかして、あの時の子分か?!」

『えっ、今のこれで思い出した?私の印象、金平糖あげたやつになってない?大丈夫?』


まさかの、金平糖をあげたら選別試験で出会った弱味噌子分と私が結びついた様だ。


『その子分の為にも、早く元気になってね』


少しだけいつもの伊之助に戻ったのが嬉しくて、その灰色の被り物の上から頭を撫でる。気持ちよさそうに喉を鳴らした伊之助は猫か何かなのだろうか?



三人の世話(主に、善逸の)をしながら、数日が経った。炭治郎と伊之助の体が治った頃、唐突にそれはやってきたのだ。


「Aさんも退屈でしょう」


何故か嫌な予感がして、そんなことないと首を全力で振ったが無視された。


「そろそろ機能回復訓練に入りましょうか」


そう言って、いい笑顔を浮かべている。そろそろ私の中で、この人がサディスト疑惑が浮上しつつある。


「機能回復訓練ってどんなことをするんだろうな!」

『ねぇ、炭治郎クン。なんで私、縛られてるのかな??』

「ごめんな。しのぶさんが、Aは逃げ出すからこうやって連れて来た方が確実だって」


(私の扱い雑過ぎない?そして、全部バレてる!)

そうして私に拒否権なく、憂鬱な機能回復訓練は始まった。


◇◆

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設定タグ:鬼滅の刃 , 転生トリップ , 原作沿い   
作品ジャンル:アニメ
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美穂(プロフ) - 凄く続きが気になります (2022年12月1日 22時) (レス) id: c0f42fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
白猫さん(プロフ) - 面白かったです!! (2021年10月10日 16時) (レス) @page32 id: d1d66ac9b7 (このIDを非表示/違反報告)
おもち - はじめまして!お話面白かったです!更新しないのですか?続きが気になります! (2020年9月8日 23時) (レス) id: 9b97fff7dc (このIDを非表示/違反報告)
床に落ちてるゴミ - あれ?更新しないのですか?とても面白かったので続きが読みたいです! (2020年9月7日 18時) (レス) id: 9b97fff7dc (このIDを非表示/違反報告)
日和 - 凄く面白かったです!ヽ(*´∀`)ノ続きが気になります!ゆっくりでいいので更新待ってます! (2020年9月4日 15時) (レス) id: 9b97fff7dc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちょこもち | 作成日時:2019年6月27日 23時

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