宇宙のような儚いお話。(JW 赤×緑)

あざ ページ29

.






赤side






俺の恋人は、目が見えへん。


やから、良かったのかもしれん。


俺の顔には生まれつきの大きな痣がある。


やけどともは、俺の事をかっこええね、って言ってくれてん。


ともには、俺が見えてへんから。







「なあ大毅、」


『ん？どしたん』


「お出掛けしたい」


『行きたいとこでもあるん？』


「おん、海。海行きたいねん。」


『海？ええよ。今日行く？』


「今日がええなあ、」


『ふふ、任せとき』


「ありがとうね」








ともが誘ってくるなんて久しぶりやったから。


あんなんなるとは思わへんかった。後悔よなあ。









.









.







「んー、海！」


『潮風きもちいなあ、』


「なあ大毅！足だけでも入りたい！」


『ええよ、入ろか』


「やったあ！ありがとうね大毅！！」









『とも、海入るで』


「おん、...っ、冷たあ！大毅！」


『ん？......んわ！やったなこんにゃろ、！』


「やー！！大毅！ははっ、たのしー！」


『ふふ、よかったよかった』


「ふう、大毅疲れた」


『戻るか？』


「おん、戻ってアイス食べたい！」


『ほな戻ろか』








なんて、呑気に喋ってた。


自分に痣があることも、ともの目が見えへんことも忘れとった。


やからなんかな、ちょっとだけ傷付いたんは。






.

▲→←▲

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す