吸血鬼。(もしも編) ページ27
深夜12時。
ベットで寝ている私の横で、何かが動いた感触がした。
そのままモゾモゾしているだけかと思えば、温かい体に包み込まれる。
私が重たい瞼を上げれば____
「おはよ、A」
もう一度言うけれど、現在時刻は深夜12時である。
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少しだけ赤い瞳に、笑うと見える鋭い八重歯。
そんな吸血鬼の彼が起きるのは、大抵夜中。
いつもは1人で起きるのに、今日は何故か私まで起こされた。眠い。
目を擦りながら寝室を出ると、突然そらるがこんなことを言い出した。
「ね、散歩行くんだけど...Aも行かない？」
『...え』
そらるはいつも、真夜中に散歩に行く。
確かに今までついて行った事はないけど...
「行こ。楽しいから」
『えっ、あ、ちょ！』
拒否する間もなく、宙に浮かぶ私の体。
えっ、これってお姫様抱っこ...？？？？？？
驚いている私には目もくれず、ベランダのドアが開く。
そしてそらるが宙を蹴った瞬間...
重力なんてないかのように、急上昇する私達。
『ぁ...は...』
怖すぎて声も出ず、ただ涙が少しだけ流れた。
思わずそらるの体にしがみつく。
すると何を思ったか突然上昇が止まり、一気に重力を感じた。
首だけをあげて、そらるを見ると...
案の定、彼もこちらを見つめていた。
「...かわいい」
『へ？』
言われると思ってもみなかった言葉を言われ、戸惑う私。
いつもより赤く染まった瞳が、だんだんと近づいてきて。
「積極的な日なの？」
...もしかして、私からしがみついたせい...？
完全に彼のやる気スイッチを入れてしまった。
パジャマのボタンを1つ開けられ、露わになった首元を長い指がなぞる。
何をされるかわかり、思わずその手を掴んだ。
けれど、彼の赤い瞳からは逃れられなくて...
「だめ？」
首元に歯を立てられる。
ダメっていっても、するくせに...！
チクリと痛みが走って、体から力が抜けた。
首元からは、いやらしい水音が聞こえてくる。
「っふ、おいし...」
『んんんんっ...んぁ』
「あ、その声そそるからもうちょい飲みたい」
『そういう事、言わなくていいっ！！』
月の下には。
虚しく響く私の叫びと。
楽しそうな吸血鬼がいました。
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あゆめ - ヤバい。そらるさんカッコいい！私、そらるさんのリスナーなんですけどほんとカッコいい！ぷりんりんりんさんこの作品をつくってくださりありがとうございます。これからも頑張ってください！応援してます。 (2018年8月26日 12時) (
レス) id: 5d7f163d63 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりんりんりん(プロフ) - フォレットさん» うわああありがとうございます(；＿；)めちゃめちゃ嬉しいし幸せです！！ (2018年8月25日 21時) (レス) id: dc44892b14 (このIDを非表示/違反報告)
フォレット - 最初から最後まで一気に読ませていただきました！とても面白かったです！ (2018年8月25日 20時) (レス) id: 12bb29eccb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷりんりんりん | 作成日時：2018年6月11日 17時
