Pure Love 【F.Ryusei】 (ページ8)

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Episode7 ページ8

〜〜〜

あれから数日。

特に深田くんとも檜山くんとも喋ることはなかった。

ただこの数日で1つ気がついたことがある。
隣の席の檜山君はそこそこの優等生。

今のところ絡むことはないが、授業中の深田くんとの会話を聞く限り相当な優等生だ。

そして深田くんは少々おバカ。

今も横ではこの問題はなんでこうなるんだあーだのこーだの騒いでるし。

授業中だって言うのに

『そこ、うるさいよ』

ほら、言わんこっちゃない。
怒られてもお前のせいだの言い合ってお互いの顔を見て笑っちゃってるし。

本当に早く席替えしたい。

あれから数十分。
4時間目の終了を告げるチャイムがなった。

私は自分の席でお弁当を広げた。

‘そんなに隣が嫌なら文句を言わずに学食にでも行けばいいじゃないか’

そう思う人はたくさんいると思う。
しかしそれができるなら私もとっくにそうしている。

ただ今はなんと学食が改装工事中なのだ。
だから営業もしていない。

佐奈の席の方に遊びに行こうと思っても、佐奈の周りの子達が私の苦手な子たちなのでちょっと足を運びにくい。

私の席の前は来ていない子だから佐奈がここに来てくれればいいのに…

佐奈は絶対にこの状況を楽しんてる。

というわけで私は自分の席で食べるしか無いのだ。

もちろんお隣の方とその前の方も席を移動させる理由がないので自分たちの席で食べている。

そして自分の席で食べていて気がついたことがある。

案外深田くんと檜山くんの会話は面白い。

断じて盗み聞きをしているわけではない。
隣の席だからいやでも聞こえてきてしまうだけ。

ほんとにしょうもない会話しかしてないけど、それが私のツボに入ってしまう。

でも笑ってしまうとそれこそ私が変人確定なので耐えるのにここ最近は必死なのだ。

今日も例外じゃなくてよくわからない噛み合わない会話をしている。

そんなとき

『ちょっと俺トイレ』

そう言って檜山くんは席を外した。

すると何を思ったのか深田くんは少し考える素振りを見して‘あっ’と思いついたように檜山くんのお弁当に入っていた唐揚げをパクっと食べた。

あっその唐揚げさっき檜山くんが‘俺好きなものは絶対最後に食べるっていう決まりがあるの’なんて何故か自慢げに話してたっけ？

こりゃ帰ってきたら檜山くん怒るぞ。