Pure Love 【F.Ryusei】 (ページ5)

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Episode4 ページ5

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2年生の学期末考査では今までで1番の結果を出し、いい気分で進級した。

桜舞う季節にこの門をくぐるのも今年で3年目。
気がつけば高校3年生になっていた。

気になるクラスは、桜こそは離れてしまったが佐奈とは今年も一緒だった。

教室に入るとまだ見慣れない顔も何人かいる。

『おぉ〜、A！今年は一緒なんだ！？』

そう言って私が席につく前にハイテンションで絡んで来たのは元木湧。
幼稚園、小学校は一緒だったが中学は離れてしまい高校でまた同じになったとは聞いていたけど、相変わらずのうるささ。

「湧、うるさ」

『相変わらず、ドライだな〜』

そんな会話を驚いた目で見ている佐奈。
佐奈は一度も湧と同じ学校になったことが無いし私がすごい人見知りと知っているからなのか驚いたみたい。

そして湧の隣りにいる子。
見慣れない顔が気になってその子をじっとみつめていると、私の視線に気づいたのかパッと笑顔になって

『俺、内村颯太っていいます！みんなからはうっちーとか呼ばれてるんだけど好きに呼んで！』

なんて自己紹介をしてくれた。

「あっ、内村…くんお願いします」

「うっちーゴメン、コイツめっちゃ人見知りなの」

湧はすぐに私が人見知りってことを説明してくれて、内村くんはなるほど〜と納得している。

佐奈はフレンドリーな性格だからかすぐに打ち解けて既に仲良くなっていた。

『そうだ、湧この子なんて言うの？』

一通り佐奈とも話が終わったみたいで内村くんの視線がこっちに向いた。
そうだ。私まだ自己紹介してないんだ。

『自己紹介くらい一人で頑張れよ』

そう言われちゃ頑張るしか無い。
そう思って口を開いた。

「音海Aです。よろしくお願いします。」

『堅苦しいな〜』

精一杯の自己紹介に湧に突っ込まれたけど、内村くんは

『音海A…それならAだね！』

なんてあだ名までつけてくれて、朝の休み時間が終わる頃にはだいぶ仲良くなれた。

ちなみにその後の会話で‘内村くん’と言うと‘内村だけど内村じゃない、うっちーなの！’なんて言って私がうっちーと呼ぶまで許してくれなかった。