Pure Love 【F.Ryusei】 (ページ33)

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Episode32 ページ33

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そしてついにこの競技が来てしまった。

【続いての競技は障害物競走です。出場する選手の皆さんは入場口まで集まってください】

『A、ここまで来たら顔全部突っ込んで真っ白にしてこい！』

なんて湧に言われてしまった。

これまた佐奈とうっちーと入場口に向かうとずっとニコニコしている2人。

『A期待してるよ！』

『私も、真っ白になったら落とすの手伝ってあげるから』

なんて言い残して自分の位置に向かってしまった。

私も自分のスタート位置に着くと周りにはやはり男の子しかいなくて萎える。
周りの子達も『何で女子？』みたいな顔してるし。

私だって「何で女子が？って思ってますよ」って心の中で言い返してやったと同時にスタートのピストルが鳴る。

第1走者は3輪車。
私のクラスからはうっちーだ。
身長は高いし、手足も長いからめちゃくちゃ苦戦してる。
それなら私の方が何倍も身長低くて手足短いから向いてるのに何て思っても無駄でどんどん私な走順が近づいている。

いつのまにか私の走順になってその頃には1位にもなっていた。

『がんばれ！』

そう前の子に言われて私も飴玉が入っているトレーまで走り出す。

トレーの前につき立ち止まって一回考えてみる。
正直髪型かわいいし顔なんてつけたくないけど、周りで見てる誰しもが私がこのトレーに顔を突っ込むなんて思ってもいないだろう。

女子だから極力顔が汚れないようにすると思われているはずだ。

何故かそれが悔しく感じて、最後の体育祭だから全力で楽しみたくて、意を決して顔全体をトレーの中に突っ込んだ。

『えっ！！？』

会場全体からそんな声が聞こえる。

『Aサイコー！』

うっちーの声も聞こえてきて逆に燃えてくる。

頑張ったのにあの後なかなか飴は見つからず結局ビリでタスキを渡すことに。
その後ももたついてしまい結局最下位でのゴールとなった。

顔が真っ白のままテントに戻ると

『A、やってくれんじゃん！』

『誰よりも躊躇なく顔突っ込んでて見てるだけで清々しかった』

なんて褒められてしまった。

『記念に写真撮っとこーよ。Aがこんなになってるのもう一生見れないだろうし』

なんて佐奈が提案すればみんな『撮ろ撮ろ！』なんて乗り気で、私も楽しくなっちゃって写真を撮る。

その後もすれ違うたびに去年クラスが一緒だった子や、部活の子から写真をねだられて何だか有名人気分になれた。