Pure Love 【F.Ryusei】 (ページ4)

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Episode3 ページ4

〜〜〜

『じゃあ先に深田くんからお願いします〜』

嘘！？
これが深田くん？
自分の名字が‘おとうみ’で早め、そして少し恥ずかしい失態を犯したからって全然自己紹介聞いてなかった。

まさか深田くんがおんなじクラスとか聞いてないし。
もしこのまま投票で深田くんになったら、委員会は1年間変わらないので関わりを持たなくてはいけない。
それだけは絶対に避けたかった。

1年生の頃いくら桜が深田くんの話しをしなかったからと言って‘ウワサ’には色々な話を聞いていた。

その話の中で思った印象は‘チャラい人たらし’

確かにいい人ではあるんだろうけど、チャラいって言う分類が得意じゃない上にやっぱり人気がある人とつるむと大体面倒くさい事に巻き込まれる事がわかっているから。

そんな願いも虚しく

『音海さん、1年間よろしく』

私の目の前には深田くんが立っている。
これからの私の穏やかな高校ライフは崩れる。

そう思ったけど、委員会の業務連絡の為と言って交換した連絡先はよろしくのスタンプから一切動かなかった。

深田くんと喋るのも委員会のときの少しだけ。
‘チャラい人たらし’と聞いてたからには少し拍子抜けしたが、私的にはそれがありがたかった。

そこから時は過ぎ、ある日。

今朝から佐奈は体調が良くなくて、ずっとぐったりしていた。

そんな佐奈を私も心配していたけど

『気にしないで！』

としか言われなくて、逆に心配しすぎるのも良くないかなと思いそっとしておいてた。

だけど佐奈にも限界が来たみたいで授業中に保健室に行ってしまった。

ちょうどその時の佐奈の隣の席は深田くんで、深田くんもずっと心配そうな目で佐奈を見ていたけど、佐奈が保健室に行ったときに佐奈の机から授業プリントを取り、自分のプリントと佐奈のプリントの板書をしていた。

授業が終わったあと佐奈が早退するということを担任から聞いて荷物を保健室に届けようと準備していると急に深田くんから話しかけられた。

『平山さんのとこ行くんだよね？これもお願いしていい？』

そう言って渡されたのは先程の授業プリントと温かいココア。

『お腹痛そうにしてたから。』

そこで深田くんがモテる理由はこういうところなんだろうなと思った。

そこからはまた深田くんと委員会以外で関わることがなく終わった2年生。