Pure Love 【F.Ryusei】 (ページ29)

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Episode28 ページ29

〜〜〜

『いや、あんなんでごめんね。』

「全然！」

『なんかみんな慌ててるなって思ったら湧くんがA抱えて走ってったからびっくりしちゃった』

やっぱり運んでくれたのは湧だったんだ。
深田くんかな？なんて少し期待したけど逆に湧でよかったかもしれない。
深田くんが運んでくれたなんて知ったら普通に接することできなそうだし。
しかも最近ちょっと太っちゃったし。

「それなら後で湧にもお礼言わなきゃ」

『そうだね』

深田くんの顔がまた曇った。

そうだよね私が引き留めちゃってるみたいなもんだし。
そろそろ部活行かなきゃだもんね。
そう思って

「じゃあこの飲み物大切に飲ませてもらうね」

なんて言ったら

『大切にって笑Aも案外天然なんだね』

なんて言いながら部活に行ってしまった。
「頑張って」も言えなかった。
でも深田くんは笑ってた。
表情が忙しい人だな。

『何イチャイチャしてんの？』

そうニコニコ言いながら入ってきた佐奈。

「佐奈！いつから見てたの？」

『結構序盤？』

いや、普通に恥ずかしい。

「なら入ってくればよかったじゃん」

『そんな幸せそうな顔してる人たちの所に入っていく程空気読めないやつじゃないから』

なんて言いながらも荷物を持ち始めた佐奈。
意外にももっと色々聞かれると思ってたから帰る気満々でビックリ。

『何？そりゃもっと詳しく聞きたいけど一応Aは病人ね。体調が戻ったらまた聞かせてよ。』

そう言って教室を出ていく佐奈を慌てて追っかける。

後日きちんと根掘り葉掘り聞かれたのは言うまでもない。

あの日から体育祭の練習では佐奈の厳しい監視のもと一度も倒れることなく終わらせた。

やっぱり大縄は佐奈が少しでも楽しようとするためこっち寄りになり私への負担は変わらなかった。
それでも回し手の体育委員の子もたくさん声をかけてくれてお互いに励まし合い頑張れている。

その他の競技も練習を積み重ねていきいい感じになってきた。
飴食いだけはぶっつけ本番らしいので練習も何もなかったけど。

そして今日は体育祭当日。

『おはよ〜、えっひらちゃんもだけど、Aの髪型すごっ』

朝一発目。
そこそこ大きな声で挨拶してくれたうっちー。
今は佐奈が私の髪の毛をやってくれていてそれを見て驚いている。