Pure Love 【F.Ryusei】 (ページ27)

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Episode26 ページ27

〜〜〜

男子が先に跳んでいるのでその間に水を飲み少し休憩する。
案外男子も続いているけど隣のクラスには劣っている。

深田くんはやっぱり当日参加できないので女子と同じく端っこで声をかけながら応援している。

『まぁまぁ初めてにしては上出来だよ！』

記録を見た体育委員がそう言うと『まぁそうだよな』なんて言葉が飛び交う。

次は女子か…
さっきに比べればだいぶ落ち着いてきたので大丈夫だろう。
そう思いながら定位置につく。

『それじゃあいくよーせーの』

1、2、3、、

どんどん回数が増えていくたびに体も辛くなる。

『なんかAやばく無い？』

どこからかうっちーの声が聞こえる気がする。

『全体的にAの方に寄ってるからAへの負担がえぐいよ』

『このままじゃ、Aの体力がもたないでしょ』

外野がワイワイ言ってるのも聞こえない。

『みんな音海さんの方寄りすぎ！平山の方にずれて』

あぁ檜山くんの声が遠くなっていく。

『おぃ…』

『Aちゃん！』

ここで完全に意識がなくなった。

消毒液と何か独特なものが混ざった匂い。

『あっ音海さん大丈夫？』

真っ白な天井。
保健の先生。
ここは保健室か。
きっとあの時倒れちゃったんだ。
時計を見るととっくに体育の授業は終わっており、次の授業が始まっていた。

『貧血と軽い脱水症だったみたい。もう6時間目だし教室戻っても微妙な時間だから休んでって良いわよ。』

そう言うと仕事に戻ってしまった先生。

あーまたやってしまった。
佐奈があれだけ止めてくれたのに。
佐奈に後で謝らないとな。
そう思いながらもまだ体のだるさは残っていたのでもう一度目を閉じた。

『…おーい…A！』

ん？

『わぁっ何だ佐奈か…』

いつのまにかぐっすり寝てしまっていたみたいで時計を見れば6時間目はとっくに終わってて5時を回ろうとしていた。

『何だって失礼だな。こっちは心配してんのに』

「ごめん…」

『具合は？大丈夫なの？』

「だいぶ落ち着いてきたよ」

『そ、なら良いんだけど。あとこれ』

そう言って佐奈から渡されたのは

「スポーツドリンク？」

『私からじゃなくて深田からね』

「えっ？なんで？」

『なんかずっと体調悪そうだったからだって』

「後でありがと伝えなきゃ」

『そうだね、とりあえず荷物取りに教室戻ろ』

「佐奈持ってきてくれなかったの？」

『馬鹿か。そんな甘やかすつもりないよ』