Pure Love 【F.Ryusei】 (ページ22)

今日:168 hit、昨日:276 hit、合計:42,081 hit

Episode21 ページ22

〜〜〜

みんな私が阿部くんにされていることは明らかに異常だって気がついているはずなのに見て見ぬふりをする。

でも桜だけは違った。
どんな時でも私のそばにいてくれて、助けてくれた。

でもそこでまた問題が起こったんだ。

『あんた、阿部くんのなんなの？』

きっと阿部くんを好きだと言う子だろう。
確か隣のクラスの…名前は出てこないや。

急に放課後呼び出されたかと思ったらこれ。

どうせこの子も変な‘ウワサ’話を聞いて間に受けたんだろう。

「私は阿部くんのことなんとも思ってないし、付き合ってもないよ。」

そう伝えても引き下がってはくれなくて、めんどくさいことに巻き込まれた。

そんなこんながずーっと続き中3の1年間はろくなことはなかった。

高校受験に関してはこんなことがあったから考える余裕などなくて近場のこの高校を選んだ。

そしたらまさかの阿部くんもここを目指してることを知ったけどその頃には願書も提出していたので抵抗することもできないなかった。

きっと私がここを受験することも‘ウワサ’で聞いたのだろう。

唯一の救いは桜も同じ高校を受験すること。
そしてその高校は地元ではそこそこの大きな高校だったのでクラスが10個ほどあると言うことだろう。

もちろん成績には余裕があったので私も桜も無事合格した。
そして阿部くんも合格していたみたい。

高校に入学してからは中学の先生が話を通してくれていたのか阿部くんとは同じクラスにはならなかった。

こんなにも苦い思い出があるからこそ‘ウワサ’話はろくなことがないので嫌いだ。

「って感じ…」

全てを赤裸々に話すと黒田くんも安嶋くんも険しい顔をしていた。

『その、阿部ってやつやばいね』

『今はなんもないの？』

「一年の頃から桜とは別々のクラスになったけれど何不自由なく過ごせていたし、二年からは佐奈と同じクラスになれてすごく楽しい日々を送っているから今はもうなんてことないんだけどね」

そう言うと

『良かった〜』

なんて安堵の様子を見せる。
安嶋くんたち。

『なんかAの印象変わったわ』

「えっ？」