Episode20 ページ21
〜〜〜
私が中学生の頃。
友達関係は良好だったしそれなりに日々充実していた。
でも3年生になったタイミングで少しずつそれが崩れていった。
『ねぇ知ってる?4組の阿部くん同じクラスの音海さんのことが好きらしいよ』
廊下を歩いてる時すれ違いざまに聞こえた‘ウワサ’話。
音海…
音海はそうそう聞かない名字だし、この学年には私しかいない。
なのでその‘ウワサ’話は必然的に私と彼のこと。
私のクラスの阿部くん。
私のこと好きだったんだ。
やっぱり誰かが自分のことを好いてくれるのは嬉しいしありがたい。
阿部くんは小学校から一緒で特に目立つような子でも無いし悪い子じゃ無いから、その‘ウワサ’話が本当なのだとしたら嬉しいな〜くらいにしかその時は思っていなかった。
その‘ウワサ’話を聞いた次の日からだろうか、彼がグイグイ私にアピールをするようになったのは
『なぁ音海、今日部活あるの?』
「今日はオフだけど…」
『なら一緒に帰んない?』
急な阿部くんからのお誘い。
小学校も一緒だったから方向は一緒だったしすんなりOKをだした。
その次の日も。
またその次の日も。
阿部くんからの誘いは絶えなかった。
流石にそのしつこさに疲れてしまって「お互い部活もあるだろうからこれからは別で帰ろう」と提案をした。
そこから数日間は私に喋りかけてくることはなかったが、逆に視線を感じるようになった。
彼は卓球部。私はバレー部に所属していた。
私の学校の体育館は2階に卓球場があるタイプだったので、私が部活をやってる時はずっと上から彼の視線を感じる。
それが嫌で同じ部活の子に相談もした。
でも一向に良くならなくて部活を休みがちになってしまった。
部活をサボってしまった日に罪悪感を抱きながらも下駄箱で靴を履き替えていると後ろから気配を感じた。
『音海』
「阿部くん…」
『最近部活行ってないよね?大丈夫なの?』
ここまでくるともうストーカー。
気分が悪くなりそう。
『Aごめんお待たせ〜』
そんな時に初めから帰る約束もしていなかった桜が話を合わせてくれて助けてくれた。
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作者名:はるは | 作成日時:2023年12月12日 17時