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練習生になるのも大変だったけど、練習生になるともっとしんどい。
人一倍自主練をする俺は尚更。
毎日本当に体がクタクタだし、好きなはずの歌とダンスも嫌になる程繰り返して、上手くいかない日は心が折れそうだし。
加えて入学したばかりの地元の高校もすぐ転校して、かの有名な通称カラシ高校で何もかもゼロからの慣れない生活。
ほんっと、しんどい。
最初は全く楽しくなかった。
けど、
そんな日々も乗り越えられたのは皆のおかげだった。
練習生の皆はいい人達ばかりで、仲良くなると練習が物凄く楽しくなったんだ。
特に一緒に活動することが多いマクヒョンとは凄く仲良くなって
一緒にレドベルのMV見た時はハナさんしか口に出してなくて、終わった後超ツッコまれたっけ。
めちゃくちゃ生意気だけど年下の方だった俺をヒョン達はすごく可愛がってくれた。
俺もチソン達を可愛がって、もう1つ家族が出来たみたいだった。
俺がルキズとして公開されると一緒になって喜んでくれて、俺も皆が公開された時は嬉しくて、
この人達とデビューしたいな、って思えたんだ。
「うわ、やばい、狡い、ヒョンかっこいい、けど、羨ましい、恨む…っ」
「感情が忙しいなお前は」
デビューじゃないけど、一番最初にMV出したのはテヨンイヒョンだった。
出したって言うか、まさかのレドベルのフューチャリングで。
ハナさんと同じ曲を歌って、同じ空間にいて、パフォーマンスして。
会話もして、きっと仲良くなったんだろう。
若干不機嫌気味に問い詰めた俺に、頬を綻ばせてハナさんの話をしてくれたテヨンイヒョンを見れば直ぐにわかった。
先を越された。
俺はまた焦った。
勝手にハナさんを目標にして、勝手に皆をライバル視して、勝手に焦っている。
でも、嫌だ。
誰にも渡したくない。
「っ、ハナさんはあげないからな！！」
練習室のド真ん中でそう叫んだ俺を、目を点にして見つめてきた仲間達。
中には鼻で笑って軽く流す人達もいた。
「何言ってんだ笑」
「出た、強火ハナペン」
「はいはい頑張れよ〜」
今馬鹿にした奴等、覚えとけよ。
信じなかったこと、後悔させてやるからな。
俺から目を離すな。
そうすれば、数年後にはきっと
俺の隣で幸せに過ごすハナさんも視界に入ることになるだろうから。
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