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「これさっきやっと届いたんだよ〜。沢山頼んだのに、空腹のピーク過ぎちゃってさ。
マークにまだお前が残ってるって聞いて、一緒に食べてもらおうと思って」
ドサッ、と食べ物が入った袋にしては割と大きめな音を立てて俺の隣に置かれた食料達。
それを挟んで隣に座ったジャニヒョンは、俺と同じように鏡面に背を預けて食べ物を広げた。
ピザ、ピザ、チキン、チキン、チキン……わぁ、本当に多い。
「喉乾いたでしょ？水持ってきたよ。コーラもあるけど……やっぱこれはご飯と一緒に飲むよね」
頭にかけたタオルから少しだけ視線を覗かせて床に広げられていく食べ物を見ていると、目の前に差し出された2つのペットボトル。
分かりきったように尋ねてくるジャニヒョンに、当然だと心の中で同意はしたものの、
頭の中がネガティヴの極限まで追い詰められている今、流石の俺でも空元気さえ出せなくて。
頭はタオルの中で下がりきったまま、手だけをゆっくり水の方に持っていった。
その時のヒョンの顔は見えなかったけれど、少しだけ笑っているような気がした。
「いただきまーす！」
「…」
「ほら、このピザ1枚丸ごと食べていいんだぞ〜」
「…あの…ヒョン、ごめん。俺あんまりお腹すいてなくて…」
「ヤーヘチャナ、お前最近あんまり食べてないでしょ？お腹引っ込んじゃうよ」
…それは俺にとって物凄く良いことなのでは？
イマイチ説得力の無い言葉に心の中で首を傾げていると、今度はチキンの入った箱が目の前に差し出された。
少しだけ顔を上げれば、さぁ食べなさい！とでも言うようなジャニヒョンの笑顔。
にこやかに見えて拒否は許してくれなさそうで。
仕方なく、控えめに箱を受け取った。
「………いただきます…」
「うん。いっぱい食べな」
タオル越しに、優しく頭を撫でられる。
ジャニヒョンの大きな手がじんわりと暖かくて
目の奥が、熱くなった。
「…このチキン、本当はテヨンが買ってきたんだ。前にヘチャンが美味い美味いって食べてたから、いっぱい食べさせてあげてって」
視界が滲んで、揺れる。
「マークもさ、そこで会った時にヘチャン頼みます、なんて言って…」
「ユタも心配してたよ。「お前は一生ベッドでゴロゴロしてたらええ。痩せたらダメ」って。ズレてるよなぁ笑」
ポタリ、
"汗"が床に落ちた。
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