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ハナさんに出会って、一目惚れして、追い掛けて、追い掛けて。
やっと辿り着いた、ハナさんと同じ世界。
これは俺の人生で、俺一人が作り出した道。
ハナさんの背中目掛けて一直線に走るための道。
勝手に自分でやっているものだと思ってた。
いや、実際それはそうなんだけど…
ハナさんは、待っていた。
俺がどの道を走っていくのかを分かっていて、その先でずっと、待っていた。
……否、
この道を走ってきて欲しいと、自分の元へ来て欲しいと願って、待っていた。
俺はまんまと走らされたわけだ。
ハナさんの願う場所へ、ハナさんの願う道で。
背中なんて追い掛けていなかった。
ハナさんは、こっちを向いて俺を呼んでいた。
あまりにも遠いから気付かなかったけど、手の届く距離に来てみれば、目が合ったんだ。
「ヘチャン」
「何？A」
君の俺の名前を呼ぶ声が聞こえる距離まで来た。
返事が出来る距離まで来た。
��君の名前��を呼べるところに来た。
「オンニがヘチャンも送るってさ」
「わ、本当に？超感謝。マネヒョンに来なくていいよって連絡しとく」
「でも少し遅れるみたい。だからあっちまで歩かない？」
「あっちから来るの？」
「ううん。こっち」
「真反対なんだけど？笑」
君は俺が目標を達成したと、自分の目の前まで来たと思ってるかもしれない。
でも、俺が望むのは君の"隣"なんだよ。
今も昔も変わらない。
君の望んだ道を走っても、俺が見据える未来はもっと先。
君の隣で、他の何でもない俺が君を幸せにする未来。
結局は俺の勝手じゃなくて、俺が望んだ道を君も望んでいた。
今更だけど、俺の人生君無しじゃ存在しない。
そしてそれはこれからも変わらない。
でも、これから走る道は君も知らない道。
君も知らない俺の本当の夢。
もっと難しくて、もっと長い、君の心へと続く道。
走りきってみせるよ。
「ちょっと寄り道しよ」
「わ、っ」
君に引っ張られてばかりだった俺の人生。
「こっち！」
「うん〜ちゃんと行くから、落ち着こうね」
「ネー！ヘチャンと散歩久しぶりだ〜」
「そうだねぇ」
いつか君を追い越して、俺が君の手を引くから。
「(もう少しだけ待っててよ、)」
繋がれた俺より一回り小さな手を、ぎゅっと握った。
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