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「それで、浦田が女の子と歩いてから逃げ出して…」
少しオシャレなパスタ屋さんで、センラくんに愚痴を吐いて数十分。
会話の間で口に含むカルボナーラは、クリーミーで口内炎ができた私の口には優しかった。
一方センラくんのペペロンチーノはピリ辛そう。
「うらたんが女の子と…」
「うん。可愛い感じの背の低い子」
「妹とかじゃ?」
「浦田に妹いないの、センラくんなら知ってるでしょ」
「そりゃ知ってますけど…。うらたんに女っ気なんて今まで無かったですよ?」
「だから私も困ってるの!」
ぱく、とカルボナーラを口に運ぶ。
目の前に座るセンラくんはうーん、と頭を悩ませた。
ここまで話を聞いてみて、やっぱりセンラくんも女の子が誰なのか分からないみたい。
もちろん、それらしき子も。
誰も名前が上がらなかった。
「とりあえず直接聞くんがいいんとちゃいます?」
「私が?浦田に?」
「何うじうじしてんですか。え、なに高校生なん?」
「いつまでも乙女だから」
「えぇー…」
「そんな引いた目しないでよ」
高校生…確かに、このウジウジ具合は高校生のときを思い出す。
好きな人が女の子と歩いてて、それが悲しくて。
「とにかく、僕は僕で坂田とかまーしぃに聞いてみますから。Aさんもしゃんとしてください」
「わ、かった。やってみる。ほんと…ありがとうね、センラくん」
「2人には普段お世話になってるんで」
「優しいーー。よし、じゃあ今回は奢ったげる」
「ええんですか?」
「うん、もちろん」
ここまでしてもらったんだから、奢るくらいしてもバチは当たらないだろう。
さて、仕事に戻ったら浦田にちゃんと聞かないと。
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セツ(プロフ) - まっちゃさん» ありがとうございます!続きの件考えておきますね^^* (2021年9月17日 0時) (レス) id: 35e1b11f9c (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ - めちゃくちゃ好きです。続き出してくれると嬉しいです。結婚した後の話とか (2021年9月16日 22時) (レス) id: fd1535e5b9 (このIDを非表示/違反報告)
セツ(プロフ) - 松野かほさん» ありがとうございます! (2021年9月13日 7時) (レス) id: 35e1b11f9c (このIDを非表示/違反報告)
松野かほ(プロフ) - めっっちゃすきです…… (2021年9月13日 1時) (レス) id: 845a75d25b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セツ | 作者ホームページ:
作成日時:2021年9月7日 0時