[完結]それでもあなたが、【urt】 (ページ12)

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カランコロン

軽やかなベルの音と共に、浦田にエスコートされながらバーの中へと入る。

エスコート、といってもドアを開けてもらったり、先に店内に入れてもらったり。

こういう所は社会人としてちゃんとしてるというか、カッコイイというか。

カウンターに2人で座り、荷物は机の下へ。

「浦田何飲む？」

「選んでよ」

「え？うーん…じゃあ、コレ」

私はメニューのDrinkの欄で目に付いたカクテルを指さした。

グラスホッパー。

何かのドラマの名前で聞いたことがある単語だ。

「…へー。じゃあ彼女にはこれで」

浦田がバーテンダーさんに頼んだのは、カシスソーダ。

世の中には花言葉があるように、カクテル言葉なるものがあるらしい。

カシスソーダは……なんだっけ。

花言葉は少し覚えているけど、カクテル言葉は一切覚えていない。

浦田が選んでくれたカクテルが、私にとって良い意味だといいなーなんて考えてみるけど、店内を眺めているこの男はそんなこと気にもしていないんだろう。

今のうちに調べようかと思ったが、人様と一緒に食事してるのにスマホを触るのは失礼だからやめておく。

家に帰ってから調べればいいしね。

「ね、浦田。グラスホッパーとカシスソーダって甘いのかな」

「確か甘口だったはず。ま、無理なら俺が飲むよ」

「…お酒弱いくせに」

「うるせ」

.

グラスホッパー…「喜び」「あなたに会えて嬉しい」

カシスソーダ…「貴方は魅力的」