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前回のお話の主人公の名前を偽名に変更致しました。
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授業も終わり、そそくさと帰る支度を済まし教室を出る。
優奈さん、優奈さん、と色々な場所から呼ばれるが無視だ。
正門の近くまで歩いていると、段々と騒がしい声が聞こえてきた。
思いに女性の声だろうか。
キャーキャーと耳をつんざく音で非常に不愉快。
「…どうか、なさいました？」
「優奈さん…！実は最近私たち女子高生の中で有名な人が来てて。」
話しかけた相手は顔だけなら見た事があるような同級生。
その子は私に少し反応したが騒がずにいてくれたので良い子なのだと思う。
それにしても女子高生に人気の人…？
私は芸能人に興味は無いから分からない。
だけどカメラが来ている様子は感じられない…だとしたら一般人？
まさか、ととある男の顔が浮かぶが流石にそんなことは無いだろう。
わざわざ目立つようなことをするメリットはあちら側にもこちら側にも無い。
だが本当にその人だとしたら厄介だ。
通してください、と一言言うと人混みがザザッと左右にわかれる。
その奥にいたのはやはり私の想像していた男。
ベルさんとお揃いのブロンドの髪、そして焼けた小麦色の肌と年相応に見えない童顔。
女子高生に人気の安室透、もといバーボン。
「あなた何してるの。」
「おや、学校お疲れ様です。」
バーボンに近づくと、いつもの貼り付けたような笑顔で返される。
他の生徒達は困惑しているようだった。
「場所を変えましょうか。」
「…そうね。」
バーボンに促され、彼の愛車へと乗り込む。
助手席に座り、窓越しにざわつく生徒たちに一礼。
その間、今朝会った後輩3人組にじっと見つめられていた。
そう言えば安室透は彼女達と知り合いだったっけ。
「ね、なんで来てたの？」
「ベルモットから頼まれまして。」
「ふーん…。まぁ良いけどさ、私目立つの嫌なの！恥ずかしいの！」
「十分目立っているでしょう。」
「そうかも、だけど…余計目立ちたくないって話！」
キーッとムキになって話すとクスクスと笑うバーボン。
「本当にローズは裏表が激しいですね。」
「別にあれは裏じゃなくて人見知りしてるだけ。」
あれ、とは学校での私の態度のこと。
あれだけ(勝手に)チヤホヤされていると、どうしても大人しく居ないといけない気がしてならない。
本当は丁寧語とか使うの苦手なのに。
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作者名：セツ
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年4月24日 14時
