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「おはよう。」
「…！おはよう、優奈さん！」
「ふふ、今日も元気ね。」
校門をくぐり、教室のある校舎へと歩く。
途中で見覚えのある後ろ姿が見えたので思わず話しかけた。
黒髪ロングの女の子と、茶髪でカチューシャをしている女の子、そして黒髪ショートのボーイッシュな女の子。
全員後輩である2年生だが、気さくに話しかけてくれる子達だ。
約1名、ベルさんのAngelが混ざってるけれど。
「さ、今日も頑張りましょうね。」
にっこりと笑い、3人の元から離れる。
この子達は私に壁を作らないからまだ良いのだ。
だけど他の後輩や同級生ときたら…。
「優奈さん！お荷物お持ちします！」
「今日もなんとお美しい！」
「うわぁぁ…あんな人が彼女なら俺もう死んでもいいわ…。」
荷物なんて軽いし、美しくないし、彼氏いるし。
全ての言葉に否定したくなるが、それは出来ない。
少し前、実際に言葉にしたところほとんどの人が"話しかけて貰えた…！"と言うだけで話す内容までは聞いて貰えなかったのだ。
人の話も聞かないで彼女だなんてふざけないで。
大分歳は離れているけれど、私のことをなんだかんだ考えてくれているジンの方が私は好き。
…まぁ、彼氏のことを好きじゃない人なんて居ないと思うけれど。
取り囲む人々を無視し、教室へと入る。
おはよう、と言うと沢山の言葉が帰ってくるが、私に気軽に話しかけてくれる人はいない。
クラスメイトはどこか私に一線引いていて、明らかな心の距離が見える。
私だって、話しかけてもらいたいのに。
まぁでも彼氏の事とか家庭の事とか聞かれたら拒絶はするけれど。
窓側の自分の席に座り、外の景色を眺める。
登校した時はあんなに心が踊っていたのに、今ではLowテンション。
早くジンに会いたい。
たった数分、離れただけなのにな。
「…はぁ……。」
昨日行為をしたからか、随分とジンに依存している。
今日の任務もどうせハニートラップだ。
汚れた体をジンに綺麗にしてもらいたい。
2日連続なんて、関係ない。
任務のその先の事を考えただけでゾクゾクする。
嗚呼、なんだか任務まで楽しみになってきた。
.
平和な高校の教室で1人、ニヤリと不気味に笑う女が居た。
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作者名：セツ
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年4月24日 14時
