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「はぁ…疲れた…。」
「お疲れ様、ローズ。」
「ベルさん…んん、ありがとう。」
高校の授業終わり、今では私の家と化した組織のアジトへ帰ってきた。
迎えてくれたのはベルさんことベルモット。
ブロンドの髪色を持っていて、とても綺麗なお姉さん。
優しく頭を撫でてくれる手に私はすりついた。
ベルさんは私を妹のように接してくれる。
だから私もベルさんのことを姉のように思っていた。
「そう言えば…今日はジンが珍しく任務に出てるわ。」
「ジンが任務に…珍しい。」
「ふふ、迎えてあげなさい。」
「うん。」
最後に頬にキスを落とされ、去っていったベルさん。
ジンが任務、かぁ…。
手こずってたら機嫌が悪いまま帰ってくるし、簡単な任務なら「なぜ俺が」とか言いながら帰ってくる。
どちらにしろ機嫌が悪いだろう。
ジンの機嫌直すの大変なんだけどな。
「ま、なるようになるか…。」
取り敢えず今日出された課題を終わらせることにしよう。
確か漢字帳1ページだけだったはず。
鞄の中から雑にノートとペン入れを取り出す。
そして明かりがポツリとついたテーブルに置いた。
シャーペンと消しゴムを出し、シャーペンを走らせる。
こんな漢字を高校で習うとは、初めは驚いた。
それだけこの組織で鍛えられたということだ。
私はこの組織に感謝している。
小さな頃から育ててくれて、思春期、恋心、反抗期…全てを教えてくれた。
暖かい心も、冷たい心も。
だからこそ、この組織を壊滅させようとする輩は許さない。
徹底的に始末する。
私の居場所を奪うなんて、絶対に駄目。
段々とイラつきが溜まり手に力が篭もる。
バキッ…とシャーペンが折れてしまった。
「ぁ…。」
やって、しまった…。
うぅ…ベルさんに怒られる…。
今持っている自分のお金で買い換えよう。
うん、そうしよう。
予備で持っていた鉛筆を持ち、課題を続ける。
カリカリと書いていると、遠くでドアが開く音が聞こえた。
足音は2つ、そして両方とも男物の革靴。
1つは少し重め。
ジンとウォッカだ。
帰ってきた…!
私は敢えて気づいていないフリをして、机と向かい合う。
すると私の後ろにあったドアが開いた。
そのまま温もりが私を包む。
「ジン、おかえ…っん…。」
振り返った途端キスをされる。
あ…この人相当機嫌悪い…。
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作者名:セツ | 作者ホームページ:
作成日時:2020年4月24日 14時