14 ページ14
ピーッ
そんな音と共に、目の前のドアが開く。
男が入り、次に私も中へと入った。
グイグイと手を引かれ、ベッドの方へと連れていかれる。
カバンや荷物は床へと投げ捨てられ、柔らかなベッドの上に組み敷かれた。
パチリ、と合う目。
すると一瞬、男が怯えた目をした。
…そろそろバレるのも時間の問題、か。
仮にもコイツは組織に関わっていた人間。
そういう人、とそうでない人、の違いくらいわかるはず。
私は男に顔を近づけ、唇同士が触れ合うギリギリのところで顔を止めた。
にこ、と笑うと男はがっついてくる。
いやらしい音や感覚に耳を塞ぎたくなるが、任務…任務、だから。
何度も角度を変えられて交わるソレ。
ドレスに手をかけられた時、私は太もものガーターベルトに引っ掛けていた拳銃を取りだし、男の腹に付ける。
『なッ……やめっ…!』
パァンッ!!
「あっつ…。」
硝煙が軽く太ももに触れた。
そして、自分にのしかかってくる男を蹴飛ばす。
ここは11階のため、パーティ会場にいる人達にこの音は聞こえないだろう。
私はカバンの中からイヤホンを取り出し、バーボンに連絡する。
「終わったわ。」
『お疲れ様です。今から迎えに行きますね。』
「…うん、よろしく。」
嗚呼、早くジンに会いたい。
そんな思いを心に閉じ込め、処理の準備にかかった。
322人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:セツ | 作者ホームページ:
作成日時:2020年4月24日 14時