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「か、るま…。」
業『あーあ、こんな顔しちゃって…。』
頬に手を添えられ、"ん…"と反射で声が出る。
熱を持った目を向けられて、私も思わずとろんとしてしまった。
再び近づけられる顔にハッとし、業の肩を押す。
「…駄目。」
そして、そうこぼした。
業はムスッとした顔を私に向けてくる。
「…愛美ちゃんとキス、してたから…。まだ気持ち整ってない…。だって…ファーストキス、なんでしょ…？」
こぼれる涙を手で拭いながらそう言うと、目の前の彼は驚いたように私を見つめていた。
嫉妬してたのに驚いているの？…いや、違う。
なんだか違う気がする。
業『覚えてないわけ？』
「え…？」
業『はぁ…。高1の夏祭り。』
業に言われた日のことを思い出す。
殺せんせーに呼ばれて行った夏祭りの次の年、確かに業と二人で夏祭りに行った。
業とくじ引きのおじさんに突っかかって、たまたま中3の時の同級生に会って…それから花火が上がって…あ。
した…確かにした…キス。
あの日は頭がパンクしそうですぐに帰ったっけ。
なんで忘れてたんだろう…。
ヒュー ドン！ パラパラパラ…
「うわ…キレー。」
業『何、Aでもそんなこと思うんだ？』
「うっさい。てか失礼。」
業『はは、ごめーん。』
2人とも浴衣を着ていて、肩を並べて花火を見る。
赤、緑、青…様々な色の光が夜空を彩った。
空を見上げていると、コツン…と私の手に業の手が当たる。
私は思わずそちらに視線がいった。
そのまま手に行っていた視線を上にあげる。
そこにあるのは業の顔で。
真っ赤な髪に、去年より少し高くなった身長。
ほぅ…と顔が赤くなるのがわかる。
すると彼の顔がゆっくりと近づいてきた。
反射的に目を瞑る。
だけど唇には感覚がなく、引っ掛けられたのだと気づく。
目を開け睨みつけると、業はくすくすと笑った。
「…ひど。」
業『拗ねないの。…はい、こっち向いて。』
顔を背けていると、頬を掴まれ無理やり業の方を向かされた。
"にゃに…"と睨みつける。
またからかわれるのか、そう思っているとニヤリと笑った業は私の尖った唇に自らの唇を落とした。
「へ……。」
手が離され、唖然とする。
ドーン…と花火の音が鳴る中、私たちは再び口付けをした。
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ヒヨコ(プロフ) - ホントにおもしろかったです！次の作品も楽しみにしてます！ (2020年6月14日 19時) (
レス) id: a71ea1e4cf (このIDを非表示/違反報告)
白狐(プロフ) - 夢主のファーストキスってビッチ先生なんじゃ (2020年6月1日 18時) (レス) id: 348cf1e7b1 (このIDを非表示/違反報告)
Mocha(プロフ) - 面白かったです！ (2020年5月13日 21時) (レス) id: 87128bc86a (このIDを非表示/違反報告)
くるみっこ - あのすみません、16の、カルマのセリフの「どうやらちがうみたい」が「どうやるちがうみたい」なってますよ。 (2020年5月5日 17時) (レス) id: 65e7743a54 (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - *利茄*さん» 何の小説ですか？題名、教えて下さい！ (2020年5月4日 12時) (レス) id: a86d5a1323 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セツ
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年4月3日 17時
