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私の一言に、全員が息を飲むのがわかる。
「律から聞いてるかもしれないけど…カエデが居たのは椚ヶ丘の山。E組の校舎がある山とは別の。カエデは頂上の山小屋で椅子に縛られていたわ。犯人は私が見た限り男一人で柳沢の部下。復讐だって言ってた。」
長々としていた話を一旦止め、一息つく。
カリカリという音が聞こえるから誰かがメモをしているんだろう。
「それでその男は拳銃を所持。私も頬を1発撃たれた。だけどすぐにそれを捨てたの。何かと思えば…っ…首から赤色の触手を出したわ。」
磯貝『触手…!?』
「えぇ。それに触手を植え付ける事が出来る注射器も持っていた。カエデはそれを見た事があるから私をその場から逃がしたの。男も私が帰ればカエデに手は出さないって言っていた。…先程の数分間であったことよ。」
ひなた『そんな…。』
寺坂『触手って…ヤベーだろ。』
私が話終わると、皆が口々に言葉を零す。
焦っているのは私だけじゃない、全員だ。
ふぅ…と深呼吸をして心を落ち着かせる。
「携帯は置いてきた。律、私の携帯はまだ無事?」
律『はい!位置情報を皆さんに送信しました!』
ピロンと愛美ちゃんの携帯が震える。
失礼して見させてもらうと、先程行った山に青い印がついている地図の写真が送られてきていた。
愛美『こんな山奥…。』
綺羅々『確かに、校舎よりも山奥ね。』
木村『そうだ。烏間先生から超体操服を渡された。今度会う時に渡すか、家に送る。』
磯貝『いや、全員取りに行こう。時間がかかる。』
磯貝くんの提案に"わかった"と全員が反応する。
流石学級委員と言ったところか。
誰も反論はしなかった。
メグ『とにかくカエデを助けないと。それにいつ触手持ちの男が暴れ出すか分からない。』
凜香『そうね、当時の武器も貰わないと。』
千葉『あぁ。』
中学以来のこんな緊張。
ワクワクしてはいけない事だけど、少しだけワクワクしている。
…ここに殺せんせーが居たら完璧なんだけど。
「愛美ちゃん、業が帰ってきたらこの事伝えてあげて。私は取り敢えず今日は帰るから。」
愛美『あ、はい!』
私はそう言い残し、業の部屋から離れた。
電話越しに莉桜が"どういうこと!?"と言っているのが聞こえる。
…ごめんね愛美ちゃん、晒すようなことしちゃって。
そう思いながらエレベーターに乗った。
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ヒヨコ(プロフ) - ホントにおもしろかったです!次の作品も楽しみにしてます! (2020年6月14日 19時) (レス) id: a71ea1e4cf (このIDを非表示/違反報告)
白狐(プロフ) - 夢主のファーストキスってビッチ先生なんじゃ (2020年6月1日 18時) (レス) id: 348cf1e7b1 (このIDを非表示/違反報告)
Mocha(プロフ) - 面白かったです! (2020年5月13日 21時) (レス) id: 87128bc86a (このIDを非表示/違反報告)
くるみっこ - あのすみません、16の、カルマのセリフの「どうやらちがうみたい」が「どうやるちがうみたい」なってますよ。 (2020年5月5日 17時) (レス) id: 65e7743a54 (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - *利茄*さん» 何の小説ですか?題名、教えて下さい! (2020年5月4日 12時) (レス) id: a86d5a1323 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セツ | 作者ホームページ:
作成日時:2020年4月3日 17時